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2005 年度 実績報告書

「アドバンシング物理」を用いた高大連携による新しい高校物理コースの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17011045
研究機関京都教育大学

研究代表者

村田 隆紀  京都教育大学, 教育学部, 名誉教授 (10027675)

研究分担者 宮永 健史  和歌山大学, 教育学部, 教授 (60031796)
藤田 利光  和歌山大学, 教育学部, 教授 (20031809)
谷口 和成  京都教育大学, 教育学部, 講師 (90319377)
キーワードアドバンシング物理 / 物質科学 / 高大連携 / カリキュラム研究 / 公開授業
研究概要

イギリスの新しいAレベル物理コース「アドバンシング物理」を日本の高校と大学の物理教育の中で活かすために,複数の高校と大学をっなぐ新しい高大連携を構築し,継続的な研究会活動を行う中で,公開授業を核とした実践的な研究を行っている。本年度は,公開授業のテーマとして「アドバンシング物理」ASコース第4,5章に設置されている「デザイナー・マテリアル」を主な研究テーマとして取り上げ,毎月1回開催する研究会の中で実践的に検討を行った。これらの章では,さまざまな物質(材料)の機械的,光学的,電気(熱)的性質などの簡単な材料試験から最新の物質科学の話題までを取り上げながら,物質の巨視的な性質を微視的な内部構造と関連づけるなど,生徒たちを現代の工学の観点に触れさせる工夫がなされている。このような「物質科学」的な内容や実験は,日本の高校物理ではほとんど取り上げられていない。そこで,「アドバンシング物理」の取り上げるこれらの「物質科学」的な実験や授業内容が「日本の高校生の興味関心をどの程度引き,理解を得ることができるのか」,「これらの内容を扱う授業をどのように指導できるか」,また「これらの題材を活かした探究活動の可能性」などを実践的に検証するために,8月中旬に高校生,大学生を対象とした2日間の公開授業を行った。
参加生徒の反応や生徒アンケートを分析した結果,日本の高校理科ではほとんど扱っていない内容であったが,興味関心が高く,内容もある程度,理解可能であることがわかった。また,探究活動は,内容の深さ,豊富さに比較して時間的な制約が厳しく,生徒の探究へのモチベーションの低下が懸念されたが,生徒たちは積極的に取り組み,教員の準備段階では予想もしていない展開や結果がいくつも見られた。
本年度,「アドバンシング物理」における「物質科学」の内容と展開を実践的に検討した結果,生徒の興味関心と理解を得ることができ,日本の高校物理においても十分に扱える内容であることがわかった。しかし,中学の学習内容の一部が高校へ上がり,現代物理の取り扱いも増えている現行カリキュラムの中で,さらに新しい内容を付け加えることの至難さや,実験器具の整備や,現場教員が高大連携などを通して研修できる環境の充実などの問題点も浮き彫りになった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 科学的リテラシーを目指す英国の義務教育の改革2006

    • 著者名/発表者名
      笠潤平
    • 雑誌名

      物理教育 54-1

      ページ: 19

  • [雑誌論文] 高校物理教育において「モデリング」を教える2005

    • 著者名/発表者名
      笠潤平
    • 雑誌名

      物理教育 53-4

      ページ: 369

  • [雑誌論文] アドバンシング物理「センサープロジェクト」の実践報告2005

    • 著者名/発表者名
      萬處展正
    • 雑誌名

      物理教育 53-4

      ページ: 377

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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