研究課題/領域番号 |
17201018
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岡田 光正 広島大学, 大学院工学研究科, 教授 (70124336)
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研究分担者 |
西嶋 渉 広島大学, 環境安全センター, 教授 (20243602)
土井 康明 広島大学, 大学院工学研究科, 教授 (10134454)
土田 孝 広島大学, 大学院工学研究科, 教授 (10344318)
中野 陽一 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (10325152)
日比野 忠史 広島大学, 大学院工学研究科, 助教授 (50263736)
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キーワード | 干潟 / 藻場 / 自然的攪乱 / 自律的再生 / 造成 |
研究概要 |
干潟域を混相流場として捉え、土壌を粒径別にN種類の分散相、水を連続液相として、相体積率を導入した支配方程式を各相について数値的に解く手法を開発した。基礎流場は、静水圧近似及びブシネスク近似を仮定した準三次元モデルで扱い、連続液相における波浪影響はラディエーションストレスを支配方程式に追加した。さらに、本方法を用い、常時波浪や高波浪が作用する場合の土壌の挙動や粒径別の変動の解析を行った。 広島湾におけるアマモの分布位置と生産量と流れの調査及びアマモの遺伝子を解析した。漂流ブイの結果より、北側海域のアマモ場から南側海域への種子供給は少なく、遺伝子頻度も異なることが示唆された。従って、人工アマモ場の回復が、南側海域のアマモ場からの種子供給に依存していることを認めた。また、アマモ場模型地盤を作成し、細粒分を含んだ地盤の水圧変動下での液状化に対する安定性と水圧変動下でのアマモの引き抜き抵抗を調べた。結果、一次元水圧変動下にてアマモが生息する細粒分を含む砂質土地盤の表層で液状化が起こること、アマモ模型の引き抜き抵抗が減少すること、引き抜き抵抗の予測においては地盤の粘着力と地盤内間隙水圧を考慮する必要があること、を実験的に明らかにした。 洪水や高潮が放水路河口域に発達する干潟生態系に及ぼす影響の調査を継続した。放水による干潟撹乱の頻度が高かった2006年では、マクロベントスの個体数が昨年よりも低くなり、増水による干潟生態系への影響は、規模や頻度によって異なることが示された。また、放水に伴う塩分濃度の低下により、マクロベントスが土壌深層に移動した可能性が明らかとなった。しかしながら、長期的に見ると、洪水では生態系が大きく崩れていないことが明らかとなった。
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