研究課題/領域番号 |
17203020
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
北村 行伸 一橋大学, 経済研究所, 教授 (70313442)
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研究分担者 |
斎藤 修 一橋大学, 経済研究所, 教授 (40051867)
渡辺 努 一橋大学, 経済研究所, 教授 (90313444)
祝迫 得夫 一橋大学, 経済研究所, 助教授 (90292523)
小塩 隆士 神戸大学, 大学院経済学研究科, 教授 (50268132)
樋口 美雄 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (20119001)
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キーワード | 医療保険 / 世代会計 / マクロ経済スライド / 有限均衡方式 / 年功処遇 / 世代間格差 / 短時間勤務 / 介護保険 |
研究概要 |
平成18年度における研究実績の主要な内容は以下の通りである。 1.医療保険制度の保険者をすべて都道府県に一括した場合の保険料負担格差の大きさやその将来像を試算した。その結果、隣接する幾つかの都道府県による広域自治体を保険者にした場合、格差が縮小し、効率化要因が働きやすくなることが分かった。 2.世代会計の手法を用いて平成16年の年金改革が世代間の衡平性に及ぼす影響を検証した結果によると、(1)マクロ経済スライドは将来世代にはポジション改善の効果がある、(2)有限均衡方式は、最終的には将来世代の負担を増加させる、(3)両者を総合すると、将来世代の生涯負担の割引現在価値は、改革なしの場合の739.1千ドルから751.5千ドルに増加する。今後、さらなる世代間格差解消のための財政改革、社会保障改革が必要となる。 3.公的介護保険導入後、在宅介護分野で営利主体の参入が認められたが、営利主体のサービスの質が非営利主体に比べて必ずしも低いと言えず、さらに、営利主体の賃金コストは低いので効率的な経営がなされている。 4.いわゆる2007年問題について検討した結果によれば、人事評価に対する信頼感や業務のゆとりが経験・知識の継承には重要になる。 5.『高年齢者就業実態調査(事業所調査)』のミクロ・データを使い、年齢別ハザード・レート関数を推計した結果、次の3点が明らかになった。すなわち(1)賃金の年功カーブが急勾配になっている企業ほど、50代前半で退職する人が多く、企業が高齢者を活用していくためには、年功処遇の見直しが求められる。(2)高齢者の仕事の成果をきちんと評価しようとしている企業や高齢者訓練を行なっている企業では退職率が低い。(3)短時間勤務者割合の高い企業では55歳以上になっても退職率は低い。
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