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2006 年度 実績報告書

近世初期工芸にみる国際性-大航海時代の寄港地間における美術交流に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17320036
研究機関国立歴史民俗博物館

研究代表者

日高 薫  国立歴史民俗博物館, 助教授 (80230944)

研究分担者 山崎 剛  金沢美術工芸大学, 美術工芸学部, 助教授 (70210391)
荒川 正明  出光美術館, 主任学芸員 (70392884)
丸山 伸彦  武蔵大学, 人文学部, 教授 (90183623)
澤田 和人  国立歴史民俗博物館, 研究部, 助手 (80353374)
中尾 優衣  京都国立近代美術館, 研究官 (00443466)
キーワード南蛮 / 輸出漆器 / 東西交流 / 工芸 / 美術史 / 大航海時代 / 外来影響 / 貿易船
研究概要

本研究は、近世工芸にみられる交流の実態を、西欧からの注文によって製作された輸出工芸品、国内向け工芸品に認められる外来影響、舶載品の受容の容態、意匠に見られる他者表象などの観点からとらえることを目的とする。従来の「東西(日本と西欧)」交流という枠組みにとらわれず、貿易船の停泊地周辺域で製作された諸美術工芸との関係性の中で、近世工芸を位置付けようとする点に特色がある。
平成18年度の主要な成果は、スペイン・マドリッド所在の日本美術および関連資料の調査を行ったことである。
スペイン王室に関するコレクションのうち、デスカルサス・レアレス修道院およびエンカルナシオン修道院が所蔵する多数のアジア製工芸品(近年、最古の来歴をもつ南蛮漆器として知られるようになった洋櫃ほか数点の日本製輸出漆器と、これと密接な関係をもつと考えられるインド・グジャラート製の螺鈿細工、南蛮漆器の影響を受けて制作されたと考えられる金彩装飾のある聖龕など)を精査した。また、アメリカ美術館において、太平洋航路でスペインに渡った日本の美術工芸品の影響を受けて中南米で制作されたと考えられる「エンコンチャド」の技法による工芸品や屏風の形態の宮廷風俗画を調査した。
また、イタリア・ローマ日本文化会館にて開催中の特別展「天正・慶長遣欧使節とその時代展」を見学し、イタリア国内に伝世する日欧交流関係資料を実見できたことも有意義であった。
なお、今回の調査においては訪問することのできなかったが、スペイン・マドリッド所在の関連資料についての情報を現地の研究者から得ることができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 『源氏物語』の漆芸意匠-寛永期における蒔絵作品を中心として2007

    • 著者名/発表者名
      日高 薫
    • 雑誌名

      『和歌と貴族の世界 うたのちから』(塙書房刊)

      ページ: 223-237

  • [雑誌論文] 長崎青貝細工に見られる花鳥表現-長崎製の作例に注目して-2007

    • 著者名/発表者名
      中尾優衣
    • 雑誌名

      京都美学美術史学 6

      ページ: 31-65

  • [雑誌論文] 蒔絵技法から伏彩色螺鈿技法への移行-19世紀前半における『長崎青貝細工』の制作について-2007

    • 著者名/発表者名
      中尾優衣
    • 雑誌名

      cross-section(京都国立近代美術館紀要)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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