研究課題/領域番号 |
17320068
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研究機関 | 神戸松蔭女子学院大学 |
研究代表者 |
西垣内 泰介 神戸松蔭女子学院大学, 文学部, 教授 (40164545)
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研究分担者 |
郡司 隆男 神戸松蔭尾女子学院大学, 文学部, 教授 (10158892)
松田 謙次郎 神戸松蔭尾女子学院大学, 文学部, 教授 (40263636)
松井 理直 神戸松蔭尾女子学院大学, 文学部, 准教授 (00273714)
SPAELTI Philip 神戸松蔭尾女子学院大学, 文学部, 教授 (60309440)
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キーワード | レキシコン / 文法 / 意味 / 制約 / インターフェース / コーパス / 言語変異 / 認知 |
研究概要 |
本研究は、 (i)自然言語で可能な語彙のみを表現するような語彙形式化であり、 (ii)形式化の中から自然言語に関する経験的一般化が自然に表現されるような、 レキシコンに関する文法理論のフォーマットを作り上げ、さらに、そのようなフォーマットに基づく形式的な語彙記述体系をデザインして、その計算機上での動作を音声・音韻、文法、意味さらに言語変異を含む総合的な観点から検討することを目的としている。 本年度は、以下の研究をおこなった。 1.日本語の再帰照応形「自分」が単文内で束縛を受ける場合と文境界を超えて束縛を受ける場合とについて考察し、モダリティに関わる機能範疇が関与することについて検証を進めた。「自分」が生起する節に用いられる動詞の語彙的性質がこの現象に深く関わっていることが明らかになっている。 2.昨年度に引き続き、日本語の音韻的情報と意味解釈との関係について考察した。今年度は特に、否定辞と共起する表現の形式意味論による記述を試みた。 3.分担者の松井は、本年度は、推論に用いられる「AだからB」「AのでB」という語彙の違いが、・推論判断にどのような影響を及ぼすかという点について実験を行い、その結果を理論的に説明した。また認識的必然性と義務的必然性の違いが、日本語の語彙特性から計算できることを理論的に考察した。 4.分担者松田は、国会会議録と変異理論に関する研究をおこなった。前者では論文集の編集を進め、ひつじ書房より2008年5月末に出版予定にまで漕ぎ着けた。後者については、近年海外で盛んになりつつある実時間調査と、国立国語研究所が現在行っている岡崎敬語調査の関わりについて調査し、口頭発表を行った。 5.借用語が音韻・形態論の面で日本語のレキシコンに与える影響とその理論的帰結について研究した。
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