研究課題/領域番号 |
17320084
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
杉浦 正利 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 教授 (80216308)
|
研究分担者 |
成田 真澄 東京国際大学, 言語コミュニケーション学部, 教授 (50383162)
|
キーワード | コロケーション / 学習者コーパス / 反応時間 / 光トポグラフィー / 近赤外分光法 / 第二言語習得 |
研究概要 |
本研究は、日本人英語学習者の持つコロケーション知識と英語母語話者の持つコロケーション知識とが、質的・量的にどのように違うのかということを、コーパス・反応時間・光トポグラフィーという三つのデータを利用して明らかにすることを目的としている。 本年度は、学習者コーパスNICE(Nagoya Interlanguage Corpus of English)を完成させ、量的分析としては、コーパス言語学的な観点から学習者と母語話者の相違点について判別分析を行い、その違いを明らかにした。また、質的分析としては、学習者の習熟度別に緻密な誤用分析を行い、学習者の中間言語の持つ特徴について包括的な分析を行った。 三つ目の研究として、いわゆる光トポグラフィー(近赤外分光法)を用いてコロケーション表現とフリーコンビネーション表現の意味判断課題において、学習者と母語話者とで脳内血流量という観点からどのような相違があるかを測定した。その結果、母語話者は言語野のみが活性化し、かつコロケーションの処理には脳の負荷が少ないのに対し、学習者では、言語野以外の部分にも活性化が起きるのみならず、その活性化に統一的なパターンが見られず、また、コロケーションの処理にも脳に高い負荷がかかっているということが発見された。 本研究により、複数の観点から、英語母語話者と日本人英語学習者の持つコロケーション知識の相違を裏付ける証拠をっかむことができたといえる。これにより、第二言語習得研究において、コロケーション知識という観点がますます重要な研究分野として位置づけられることになる。
|