1 岡山市造山古墳の第1次測量調査を実施した。平板測量については墳丘部分の8割、デジタル測量については1割が終了した。測量については、朝日新聞、毎日新聞、山陽新聞で報道された。 2 平板測量によって、造山古墳の墳形が、従来の写真測量に基づく実測図と大きく異なることが明らかになり、築造規格に関する新しい比較研究が可能となった。 3 測量に際し、新たに埴輪片を採集し、年代を推定する重要な資料を得ることができた。これにより、造山古墳が従来の年代観よりわずかに新しく位置づけられる可能性が高まった。 4 測量によって、これまでに知られていた後円部墳頂の中世城郭関連遺構に加え、新たな郭や竪堀などを確認することができた。 5 GPSを用いた基準点の測量と、トータルステーションを用いたTIN(三角形)によるデジタル測量によって、前方後円墳の新しい測量方法を、一定程度確立することができた。 6 造山古墳周辺について、写真測量の実施を前提に、空中写真の撮影を実施した。これにもとづき、来年度以降の、宅地部分にかかわる測量を実施することになる。 7 「造山古墳第1次測量調査報告」と「岡山県岡山市造山古墳」(リーフレット)を刊行した。 8 山陽新聞社主催「造山古墳の謎を追う」シンポジウムが開催され、新納が参加し、測量調査の成果も含めた討論を行った。
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