研究課題/領域番号 |
17330016
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
赤池 一将 龍谷大学, 法学部, 教授 (30212393)
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研究分担者 |
福田 雅章 山梨学院大学, 大学院法務研究科, 教授 (20029739)
山口 直也 山梨学院大学, 大学院法務研究科, 教授 (20298392)
三島 聡 大阪市立大学, 法学部, 助教授 (60281268)
徳永 光 甲南大学, 法学部, 助教授 (20388755)
本庄 武 一橋大学, 大学院法学研究科, 講師 (60345444)
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キーワード | 民営刑務所 / 民営化 / PFI / 市場化モデル / 刑務所 / 監獄法 / 行刑改革 / 規制緩和 |
研究概要 |
本年度は、昨年度から始めた刑事施設民営化実施国についての海外調査を本格的に行い、現地の具体的状況の把握に努めることに努めた。また、これと並行して、美祢市で2007年度早々に開業するPFI刑務所である美祢社会復帰促進センターについての分析を理論的にまとめる作業を行った。 前者については、まず、研究協力者である三島聡(大阪市立大学教授)が、2006年10月にイギリスの民営刑務所を訪ね、特に、コミュニティ・プリズン構想との関係を中心に調査を行った。2007年1月には、研究協力者の金尚均(龍谷大学教授)がドイツを訪ね、ドイツにおける民営刑務所構想のパイロット施設を訪ね、その具体的内容についての調査を行った。2月には、徳永、山口、本庄が、研究協力者の笹倉香奈(日本学術会議)、岡田悦典(南山大学教授)とともに合衆国を訪ね、その民営刑務所、電子監視を用いた刑の執行への民営会社の進出の実情と問題点に関する調査を行った。3月には、赤池が、研究協力者の白取祐司(北海道大学教授)とともに、フランスでの刑事司法にける民官の協力関係についての調査を行った。この間、2006年12月には来日中のフランスのショケ司法省研究部長、土井政和(九州大学教授)を招いて、同様の問題についての研究会を行った。また、前年度から引き続き山梨学院大学ロージャーナルにおいて、民営化問題の基礎的文献の翻訳・紹介を継続的に行っている。 後者については、2006年8.月に赤池が美祢社会復帰促進センターの建設現場を訪ね、参入企業に対する聴き取り調査を行ったほか、数度の研究会をもって検討を行った。9月の研究会では、赤池「美祢社会復帰促進センターと総合的検討の可能性」、笹倉「刑務所民営化とアカウンタビリティ・市場テストの研究」、三島「地域社会の刑事施設民営化」、徳永「PFI施設における業績評価のあり方」、本庄「電子タグによる位置情報把握システムについて、刑事施設民営化と刑務作業」の報告を、10月には赤池「刑事施設民営化の日本的特色」、笹倉「刑務所「市場化テスト」の検討」、本庄「PFI施設における警備」、12月には三島「コミュニティとPFI刑務所」の各報告を行い、討論を行った。この他、11月には赤池が民主主義科学者協会法律部会学術総会のミニシンポジュウム「刑事施設の公共性と民間化の法律問題」において報告を行った。これらの成果について、2月の研究会において書物として公刊する企画を立て、現在その作業を行っている。
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