研究課題/領域番号 |
17330025
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
松里 公孝 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (20240640)
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研究分担者 |
六鹿 茂夫 静岡県立大学, 国際関係学研究科, 教授 (10248817)
廣瀬 陽子 東京外国語大学, 地域文化研究科, 准教授 (30348841)
岩下 明裕 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (20243876)
前田 弘毅 北海道大学, スラブ研究センター, 講師 (90374701)
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キーワード | 非承認国家 / 黒海 / トランスニストリア / モルドヴァ / ウクライナ / グルジア / アブハジア / 正教 |
研究概要 |
本年度は最終年度であったため、調査よりも成果のまとめと研究会活動に力を注いだ。現地調査は、松里が8月にウクライナ、モルドヴァ、トランスニストリアで、また2月にグルジアで行なった。その成果は、非承認国家をめぐる正教外交というテーマで論文とし、イギリスのReligion, State & Society誌に投稿中である。 委託調査としては、ナゴルノカラバフ共和国のエリートの伝記調査が完了した。 11月には日米英独の研究者の協力で、全米スラブ学会でトランスニストリアに関するパネルを組織した。 トランスニストリア、モルドヴァ、ウクライナ、ドイツ、日本の著者が参加して、露語論文集『環黒海の広域的文脈におけるトランスニストリア』を出版することができた。従来、「非承認国家・対・旧宗主国」、あるいは「ロシア対EU・アメリカ」という文脈でしか語られることのなかった非承認国家問題を、環黒海の広域政治という地理的文脈に置いたこと、また政治的には対立する両陣営の研究者が参加する論文集を出版できたことの意義は大きいと考えられる。 こうした共同研究の中で、次の研究課題が明らかになった。非承認国家問題は、環黒海という特殊な地域の広域政治のあり方と緊密に結びついており、六鹿や松里は、ここに次のプロジェクトのアイデアを求めた。
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