研究課題
本年度の最大の課題である、中国での調査実施を、中国社会科学院社会学研究所への委託調査という形式で実施した。本研究の眼目である、日本家族社会学会による日本側の家族全国調査(NFRJ03)との比較可能な調査項目を多く盛り込んだ調査票を中国側研究者との協議を重ねて作成した。そして、内陸部の中核都市である四川省成都市、北部沿海地区の大連市、中部沿海地区の上海市、そして南部開発途上のチワン族自治区の南寧市、という4地点において、それじれ周辺農村部も含めた地域確率標本抽出サンプルに対する構造化面接調査により、合計4800ケースとしていた当初の目標をほぼ達成することが出来、次年度に日本と中国の本格的な比較分析を行える条件が整った。韓国との比較研究は、先方の共同研究者らが実施に関わった、韓国女性開発院の韓国版全国家族調査のミクロデータを使用させてもらうことが出来ることになったので、これと日本側のNFRJデータとの比較分析として進める条件が整えられた。ところが、日本側のデータの寄託先である東京大学SSJDAによるデータ公開の手続きが遅れるトラブルがあり、共同研究としての分析作業は予定より大幅に遅れることになってしまった。幸い、両国の研究チーム間の再調整は出来たので、次年度へ向けて比較分析を双方の研究者間で行う体制は準備することが出来た。