研究課題/領域番号 |
17340001
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
宮本 雅彦 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 教授 (30125356)
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研究分担者 |
森田 純 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 教授 (20166416)
内藤 聡 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 助教授 (60252160)
北詰 正顕 千葉大学, 理学部, 教授 (60204898)
杉山 和成 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 準研究員 (90375395)
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キーワード | 散在型有限単純群 / 頂点作用素代数 / モンスター単純群 / ムーンシャイン加群 / マッカイの考察 / 位数公式 / 宮本自己同型 / フレイム頂点作用素代数 |
研究概要 |
本年度の研究実績 本年度の研究により、以下のことを進展させた。 (1)17年度に一応、目的を達成した研究であったマッカイのE_8予想に関して: 最大位数を持つ散在型有限単純群であるモンスター単純群の位数2の共役類2A達が見せるE_8型のルート格子との不思詰な関係(マッカイのE8考察)を頂点作用素代数の立場から説朋しようという研究は、本研究の出発点となったものであるが、第一段階としてLam Ching Hung氏との共同研究「マッカイのE8-図形とモンスター単純群の開係」を本年度は整理し、証明を簡略化させ、発展させ,論文として発表した。これは頂点作用素代数研究グループであるLam,佐久間、山田、山内氏達によりさらに発展している。 (2)位数2の自己同型に関して: 散在型有限単純群の構造は上で述べたように、位数2の元の性質によって大きく左右されるが、2つの共役類を持つ場合にはトンプソンの公式によって、群のかなりの部分が決定できる。しかし、共役類が1つの場合にはこれまで位数等を与えるような結果は知られていなかった。本研究では、群論グループと議論を重ね、最終的にオハイオ州立大学の原田耕一郎氏と共同で、そのような場合でも群の構造がかなり抑えられることを示した。これにより、散在型有限単純群はすべて決定できることになる。この結果は海外においても高く評価されている。この結果およびそこで出された予想などは群論グループ(熊本大学の八牧等)によって研究が続けられている。 (3)グライス代数に関して: モンスター単純群を最初に構成したモンストラス・グライス代数に代表されるようにある種の頂点作用素代数のウエイト2の空間は非結合的な可換代数となっている。そのような可換代数の典型的な例はジョルダン代数であるが、一般的にジョルダン代数をグライス代数としてもつ頂点作用素代数の例はこれまで中心電荷が整数値のものしか知られていなかった。本研究では対称行列全体がなすジョルダン代数をグライス代数とし持つ頂点作用素代数の任意の中心電荷に対して構成した。現在は、宮本研究室を中心に新しい頂点作用素代数の表現論を研究している。
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