研究課題
1.研究代表者は、量子群の可積分表現のゼロウェイト空間への組み紐群の作用について研究を行った。表現がある種の条件を満たす場合には、組み紐群の作用はヘッケ代数の作用を与え、これによりヘッケ代数の表現が得られる。A型の場合にはこれによりすべてのヘッケ代数の表現が得られ、Schur関手を用いる構成と同様の結果が得られる。ヘッケ代数の表現のKazhdan-Lusztig基底と量子群の表現の大域結晶基底の理論を用いることにより、環上でもこの構成は意味を持つことが分かり、これを用いてモジュラー表現についての考察も可能である。この方法でLascoux-Leclerc-Thibon予想の別証明を与えた。2.研究代表者は、A型の場合のベキ零共役類の閉包の定義イデアルをグレブナー基底の理論を用いて考察した。具体的計算を実行し、代表者の1982年の予想(84年にWeymanにより解決)の初等的別証明が得られる可能性を見いだした。3.分担者の柏原は、一般カッツ・ムーディ代数の量子群の結晶基底について研究を行った。4.分担者の柏原は、アフィン量子代数のレベルゼロの基本表現とDemazure加群について研究を行った。5.分担者の庄司は、自身が導入した変形有木小池代数の表現について研究を行った。また対応するq-Schur代数についても考察を行い、興味深い結果を得た。6.分担者の内藤は、extremalウェイト加群の結晶基底について考察した。特に、Dynkin図形の自己同形群の作用について考察し、この群で固定される結晶基底の元についての結果を得た。
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