研究分担者 |
竹田 雅好 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30179650)
梁 淞 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (60324399)
中西 敏浩 島根大学, 総合理工学部, 教授 (00172354)
名和 範人 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (90218066)
針谷 祐 東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (20404030)
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研究概要 |
本研究の大きな目標は,確率モデルのくりこみ群による解析という立場の中で,確率過程の漸近的性質の導出の研究を中心にして,最終的にくりこみ群という新しい解析学の可能性を追求することであった.研究の出発点となったgasket上のself-avoiding pathを含めて,種々のモデルを広く柔軟に考察の対象とした.また,確率微分方程式が確率過程を定めるように,くりこみ群が確率モデルを定めるという視点を確立することがテーマに含まれるので,研究対象を柔軟に広げ,新しい確率過程自体の研究と,研究の進展に鑑みて,成果の実際的な問題への応用も視野に入れた. 本年度は,研究の出発点であった一般次元ガスケット上の自己回避過程のくりこみ群についての詳細研究,特に固定点の唯一存在の一般化についての成果を得て,結果はJouranal of Statistical Physics誌に掲載された.一定の条件を満たす2変数非負係数多項式の勾配ベクトル値2次元写像が定義する力学系が,x軸に近い放物型の不変集合内に,唯一の固定点を持つという形の定理である.定理の帰結として,3および4次元ガスケット上のrestricted self-avoiding pathsについて,pathsの本数をあらわに数えることなくくりこみ群解析を遂行できるようになった.以上について服部哲弥のweb page上に説明を公開した. この他,竹田雅好氏,針谷祐氏とともに開いている東北確率論セミナーについて,本科研費の支援は4年目となるが,2007年度は計8日のべ14人の講師による研究セミナーを開催した.さらに院生諸の研究会参加等のための旅費支援も加えて,院生教育を通じての確率論研究に大きな成果をあげた.
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