研究分担者 |
石毛 和弘 東北大学, 大学院理学研究科, 助教授 (90272020)
富崎 松代 奈良女子大学, 理学部, 教授 (50093977)
相川 弘明 北海道大学, 大学院理学研究科, 教授 (20137889)
志賀 啓成 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 教授 (10154189)
内山 耕平 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 教授 (00117566)
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研究概要 |
村田實はリーマン多様体内の領域と区間との直積上の2階放物型偏微分方程式の非負値解全体の構造を研究し、熱核に対する仮定-intrinsic ultracontractivity-の下で任意の非負値解を積分表示する公式を与えた(Advanced Studies in Pure Mathematics, 44(2006), 283-289)。この公式はLipschitz筒に対するFabes等の結果(1986)を一挙に一般化するもので、対応する楕円型方程式に対するMartin境界を決定すればこの公式により放物型方程式の非負値解を具体的に積分表示できるので、多くの具体例を統一的に計算する事が可能になった。 村田實・土田哲生はユークリッド空間上の周期係数自己共役2階楕円型作用素のレゾルベントの連続スペクトル点への極限の存在を示し、その積分核の無限遠での漸近形を与えた(J.Math.Kyoto Univ., to appear)。 相川弘明は境界Harnack原理とCarleson評価の同値性を導いた(Math.Scand., to appear)。また,ユークリッド空間内の滑らかな領域でp-調和関数に対する境界Harnack原理を導いた(Potential Analysis, to appear)。 富崎松代は一次元広義拡散過程の調和変換に対して、変換後の拡散過程が状態区間の端点の一つを正則境界として挙動する場合に、その境界での局所時間の逆関数の分布の状態を、Kreinの対応の立場から研究し、特に、消滅測度一定のベッセル過程の調和変換の推移確率密度の表現を用いて、原点での局所時間の逆関数がガンマ過程であることを示した(Ann.Reports of Graduate school of Humanities and Sciences Nara Women's University, to appear)。これは、確率論的手法により得られたC.Donati-MartinとM.Yorによる結果(2005)の解析的な証明でもある。 内山耕平は古典的なランダムウオークについて始点と終点を固定(条件付け)したときの訪問点の平均個数について精密な漸近評価を与えた。
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