研究概要 |
村田實はP.J.Mendezとともにリーマン多様体上の筒状領域での2階放物型偏微分方程式の非負値解の構造を研究し、一般的でほぼ最適な仮定[定数関数1が随伴楕円型作用素の半小摂動である]の下で任意の非負値解の具体的な積分表示を与えた。(その成果は論文として投稿中。)村田が2007年にJ.Functional Analysisにて熱核に対する仮定[intrinsic ultracontractivity]の下で任意の非負値解の具体的な積分表示を与えるまでは、放物型方程式の非負値解の積分表示は抽象論と極僅かの例のみが知られていたが、この結果は一般の仮定の下で非負値解の具体的な積分表示を与える定理として決定的なものである。また半小摂動から熱核のsemi-intrinsic ultracontractivityが従うことも示した。 内山耕平は周期グラフ上のランダムウオークのGreen関数と遷移確率の漸近評価を与えた。また正方格子上のランダムウオークを到達点について条件付けたときに、訪問点の平均個数の漸近評価を与えた。 志賀啓成はKlein群の単連結連結成分のリーマン写像を精力的に研究し,その連続度研究の観点から正則関数の連続度に関するHardy-Littlewoodの定理を拡張した.また, Holomorphic motionの拡張問題について新しい知見を得た.
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