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2006 年度 実績報告書

次世代電子・陽電子衝突実験のためのTOF測定器の開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 17340067
研究機関東京大学

研究代表者

駒宮 幸男  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80126060)

研究分担者 佐貫 智行  東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (70323491)
吉見 弘道  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (90044784)
キーワードTOF測定器 / 光電子増倍管 / BES-II実験 / 国際リニアコライダー・ILC / Belle
研究概要

本研究では、中国北京の高能研究所(IHEP)で計画されているBES-III実験用の飛行時間測定器(TOF)の設計と製作を進めてきた。平成17年度から18年度にかけて、TOFカウンターに用いる高電子増倍管(PMT)の量産とその後の性能試験を行なってきた。このPMTは1Tの磁場中で十分な増幅率を得る為にファインメッシュと呼ばれるダイノードを用いている。高エネルギー加速器研究機構の東カウンターホールにある牛若磁石を用いて、1Tの磁場中で、約550本の全てのPMTの性能試験を行なった。PMTの試験は、磁場を負荷する前と、負荷した後に、いくつかの電圧でゲインを測定し、磁場1Tでのゲインが5x10の5乗になる電圧を見出し、かつ、そこでの時間分解能を測定し、基準を充たしているかを試験した。その後、これらのPMTは中国のIHEPに送りTOF本体のシンチレータに付けられ、BES-III実験インストールした。IHEPでは現在BES-IIIの実験に用いる加速器BEPC-IIを建設しており、平成19年度中には、いよいよ実験が開始される予定である。
これに加えて、将来の国際リニアコライダーILCでの実験において長寿命の粒子を同定するなどの目的で、如何にしてTOFシステムを用いるかの検討を行なった。ILC実験ではTOFに特化した測定器は用いず、カロリメータにその役割を担わせるが、時間分解能を確保する為には、現在考案中の読みだし素子MPPCの信号をいくつか束にしてTDCに接続する。このカロリメータからの時間情報は、重い新粒子の質量の同定だけでなく、電磁シャワー中での光子などの速度の早い成分を同定する事で、エネルギーフロウの精密測定にも使えることがシミューレーションから分かった。

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公開日: 2010-02-01   更新日: 2016-09-07  

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