研究概要 |
流体流動電位法は、地下の資源流体(石油,地熱流体,地下水等)を可視化するためのモニタリング探査法で、地下の比抵抗構造と同時に、地下流体が流動するときに発生する流動電位を観測することにより流体挙動を把握することができるハイブリッドな探査法である。この液体流動電位法を用いてリアルタイムにデータ取得及びデータ解析を行なうためには、フィールドにおいて高速サンプリングが可能な可搬型の測定システムの開発及び、そのシステムを制御する制御プログラムと高速なデータ解析プログラムの開発が不可欠である。本研究では、流体流動電位法の計測システムの高度化に関する以下の研究開発を実施した。 まず、小型のデータロガー(32チャンネル)2台とノート型パソコンから構成される64チャンネルの計測システムを試作した。この計測システムを使って導電性マットを用いた自然電位法の室内実験を実施し、高速サンプリングによるデータ収録が可能であることを確かめた。このシステムでは計測部のデータロガーが計測制御部のパソコンとLAN接続されており、離れた測定地域毎の分散型測定も可能である。さらに、この試作機に現有のデータロガーを追加すれば、最大160チャンネルの同時測定が可能である 次に、最大100チャンネルの測定が可能なデータロガーを用いて、さらにコンパクトな計測システムを試作した。この計測システムを用いて流電電位法の小規模なフィールド実験(64チャンネルの同時測定)を行なった結果、64チャンネルの比抵抗測定を1分程度でできることを確かめた。また微弱な電位差を計測する際の問題点を把握した。
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