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2006 年度 実績報告書

脊椎動物の進化における筋収縮制御タンパク質トロポニンの機能的多様化

研究課題

研究課題/領域番号 17370025
研究機関千葉大学

研究代表者

大日方 昂  千葉大学, 名誉教授 (40012413)

研究分担者 佐藤 成樹  千葉大学, 理学部, 助手 (40261896)
小笠原 道生  千葉大学, 理学部, 助教授 (00343088)
キーワードトロポニン / 筋収縮制御 / アクチン・ミオシン相互作用 / 脊索動物 / ナメクジウオ / ホヤ / カルシウム制御
研究概要

前年度に引き続き、原索動物の横紋筋と平滑筋において、Ca制御蛋白質トロポニンによる筋収縮(アクチン・ミオシン相互作用)制御がどのように機能的多様性を示すかを検討した。特に、注目する点は、マボヤ平滑筋のトロポニンが、脊椎動物横紋筋トロポニンとは異なり、筋収縮に抑制的に働かず、Caイオンの存在により筋収縮を活性化するという特性が、他の原索動物トロポニンに普遍化されるかと言う点である。以下の成果を得た。1)まず、ナメクジウオ(Branchiostoma belcheri)横紋筋トロポニンについては、前年度、脊椎動物横紋筋トロポニンに類似した特性をもつことを示唆したが、今年度は、ナメクジウオトロポニン3成分(TnT,TnI,TnC)を組み替え体蛋白質としてそろえ、その複合体が、アクトミオシンATPase活性をCaイオン非存在下で阻害し、Caイオン存在下で高めないことなどを観察し、ナメクジウオ(横紋筋)トロポニンは、脊椎動物横紋筋タイプであることを再確認した。2)次に、カタユウレイボヤ(Ciona intestinalis)成体の平滑筋トロポニンについて、組み替え体TnC,TnIを作成して、その機能特性を調べたところ、マボヤ平滑筋型ではなく、ナメクジウオや脊椎動物の横紋筋型の性質を示した。マボヤとユウレイボヤの平滑筋間での違いは興味深く、今後、更に詳しく調べる。3)平滑筋のトロポニンはホヤで例外的に見られるものであるが、最近、線虫の生殖巣周囲の平滑筋様細胞にトロポニン(特にTnC)の存在が知られた。この平滑筋トロポニンの特性を調べる第1歩として、回虫横紋筋TnIおよびTnCに対して作成された抗体を用いてトロポニンの細胞内局在を調べたところ、TnIおよびTnCが網目のように走るアクチン線維上に局在することを確認した。平滑筋機能を制御するトロポニンのもう一つの例として注目される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Effects of BTS (N-benzyl-p-toluene sulphonamide), an inhibitor for myosin-actin interaction, on myofibrillogenesis in skeletal muscle cells in culture2006

    • 著者名/発表者名
      Kagawa M, Sato N, Obinata T
    • 雑誌名

      Zoological Science 23(11)

      ページ: 969-975

  • [図書] 細胞の形とうごきV 細胞の運動と制御2006

    • 著者名/発表者名
      大日方 昂
    • 総ページ数
      206
    • 出版者
      サイエンス社
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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