研究概要 |
胃癌と正常臓器のSAGEライブラリーの比較から新しい特異的発現遺伝子を抽出し、標的治療・予防を視野に入れた診断系の確立を目的として、本年度は以下のとおり研究を実施した。 1)胃癌と正常臓器のSAGEライブラリー比較による新規癌特異的遺伝子候補の抽出:我々の胃癌SAGEライブFeb;26ラリー(GEO accession no.GSE545)と正常14臓器のライブラリーとの比較および定量的RT-PCR法により、胃癌特異的発現遺伝子としてAPIN, TRAG3,CYP2W1,MIA,MMP-10,DKK4,GW112,REGIV,HORMAD1を同定した。 2)Recombinant蛋白の調整およびモノクローナル抗体の作成:上記9遺伝子の内、抗体の得られていないものについて、順次Recombinant蛋白を精製し、常法に従いモノクローナル抗体の作成を行っている。得られた各クローンについて、液相系、ウエスタンブロット、免疫染色にて反応性、特異性を確認している。 3)免疫組織化学による蛋白の局在と臨床病理学的事項との関連解析:抗体が入手可能なMIA,DKK4,MMP-10および独自に抗体を作成したREGIVでは、免疫染色において発現を検討し、MIAとMMP-10では発現と悪性度、予後との相関が見い出された。REGIVでは、胃癌の他に、大腸癌、膵癌、消化管カルチノイドが陽性であった。 4)ELISA系を用いた血中レベルの測定:MIA,MMP-10,REGIVについては、ELISAにより血清レベルを測定し、胃癌患者中REGIVでは36%、MMP-10では95%が高値を示した。 5)SAGEライブラリーに基づいた胃癌組織解析用カスタムアレイによる解析:上記で抽出した癌特異的発現遺伝子を含む207遺伝子を搭載する三次元カスタムアレイを新たに作成し、約20症例の胃癌を解析し臨床病理学的事項との検討を行った。
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