研究課題/領域番号 |
17402033
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研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
陳 立行 日本福祉大学, 情報社会科学部, 教授 (60278314)
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研究分担者 |
袖井 孝子 御茶ノ水女大学, 生活科学部, 名誉教授 (10072993)
駒井 洋 中京女子大学, 人文学部, 教授 (20058100)
南 裕子 一橋大学, 経済学部, 準教授 (40377057)
丁 亜希 三重大学, 教育学部, 教授 (20252330)
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キーワード | 中国 / 地域社会 / 社会学 / 社区 / 都市社会 |
研究概要 |
この研究では、市場経済体制の下で進められた都市空間の再構築の中、地域社会においては社会構造がどのような形で変動しているか、この変動に伴う地域社会の形成の可能性とその特質に着目した。北京、長春、大連、上海、重慶、潮州など、それぞれ特大都市、大都市、中小都市、農村部で合計37個の社区と村に対して現地調査を行い、政府の民政局、社区街道委員会、社区居民委員会、村民委員会、福祉施設、文化活動センター、社区サービスセンター、社区雇用促進施設、住宅団地業主委員会、団地サービス会社、住民の自発活動組織など社区に関わる政府機関、民間企業、NGO組織、住民活動の中心人物に対する聞き取り調査が行われた。また北京で50の住宅団地に住民対してアンケート調査を実施した。これらの調査を通じて、コーディネーターとしての「居民委員会社区」、自律性と自治力を育てる「業主委員会」、ソーシャル・サポートの基盤となった住民の自発活動組織という三者並立の状態は中国都市の地域社会の新たな構造体として認識した。現在、一次元的政治体制と多元的民間の力が並存している中、この三者間の相互作用は公共政策の実施、地域社会の自律性の形成、住民の帰属感の形成に対して、大きく影響していることがわかった。本研究は国家の都市化政策と市民生活に関わる公共政策の内容と実施のプロセス、地域社会における住民の生活の実態に対する総合的調査研究を通じて、一次元的政治体制の下で市場経済の進行に伴い顕在化した都市問題に対して、国家の地域社会に対する政治の統制力、と地域社会の自律的対抗力についてのシステム的な解明を試みた。
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