研究概要 |
科研班による共同研究の成果をフォーラム「東アジアの学校教育改革」の形で実施したのが今年度の主な取り組みである。具体には,研究代表者と研究分担者8名,研究協力者2名,海外の研究協力者8名が学校改革に先進的に取り組んでいる東京都世田谷区において,11月3〜4日の日程で公開型フォーラムを国士舘大学の大会議室を会場として開催した。 大学関係者,学生,市民を含めて約50名が参加した。基調講演では新井郁男氏が「21世紀におけるカリキュラムと教師教育の課題-学習社会形成の視点から-」の演題において,国家を超えたグローバルな視点,情報化社会への視点,完全なる人間の視点,生涯学習の視点を見据えることの意義が提案された。引き続き「東アジア各国のカリキュラム改革とそれに伴う教育方法の新たな視点」について,中国,韓国,台湾,日本の東アジアの研究者かちの提案があった。続いて,特別講演では北京師範大学の労凱声教授による「教師の専門的職能と権利」についての講演があり,中国の「教師法」では教員の職業上の性質を教育教学の職責を負う専門職業人であると位置づけていて,一定の基準で測定される特性を持つ職能を有する者であるが,医者や弁護士などのような専門職と言う概念までには至っていないことや,教育を行う権利と学術研究と言論の自由の権利を保有する専門職であるという説明があった。最後に,「学校改革と教師の専門職化」と題してパネルディスカッションがあり,中国,韓国,台湾,日本の研究者間で意見交換が行われた。
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