研究概要 |
今年度は本研究の初年度であり,6月末に共同研究メンバー3名が集まり,調査研究計画と研究方法等の打ち合わせを行い,本研究をスタートさせた。まず,研究統括者(伏木)が諸外国の総合的な学習に関する文献研究を行い,調査対象候補国を北米(米国,カナダ),北欧(フィンランド,スウェーデン,デンマーク),西欧(オランダ,ドイツ,英国),オセアニア(オーストラリア,ニュージーランド)として調査を開始した。 平成18年度に海外の総合学習の実践に関しての映像収集とカリキュラムに関する本調査を行うという計画に基づき,今年度はそのための予備調査として,研究統括者(伏木)が北欧諸国の義務教育学校や教員養成大学を訪問して情報を集め,調査候補地での研究協力者を確保した。一方,日本国内の「総合的な学習」の調査校の候補を研究分担者(小林)が選定し,調査の準備を進めた。また,ドイツの「総合的な学習」調査候補校の選定も研究分担者(久野)が準備をすすめた。 今年度の予備調査では,北欧デンマークにおける総合的な学習を中心に,その理論と実践にみるユニークな実情を調査したが,その成果は研究統括者(伏木)が信州大学教育学部紀要等に公表した。日本国内における「総合的な学習」の意義と課題に関しては,研究分担者(久野)が雑誌に投稿した。 また,総合的な学習に関わって,特にデンマークの教員養成における学際的な学習の指導理念とカリキュラムなどを学ぶことができた。こうした総合的な学習の実践分析やカリキュラム研究をすすめていく上で,各国の教員養成システムや教員養成大学での授業内容・方法にも着目していく必要性を認識することになった。これらの調査結果・実践資料のうち,公表できている部分はまだ一部であるが,平成18年度中に資料を整理しつつ,学術雑誌等で公表する予定である。
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