研究課題
基盤研究(C)
平成21年5月より実施される裁判員制度のもとでは、裁判員の実質的・主体的参加が可能であるよう、迅速でわかりやすい公判審理が求められる。そのためには、争点の整理と証拠の厳選が不可欠であり、職業裁判官が判断主体であることを当然の前提として組み立てられた従来の公判審理及び証拠に関する法規制のあり方には、見直しが迫られる点が少なくない。本研究においては、上記のような問題意識に基づき、(1)争点・証拠の整理のあり方と(2)証拠の許容性に関する法規制のあり方に関し、理論上あるいは実際上重要と思われる論点を取り上げ、従来の理論及び実務の到達点を整理するとともに、それを踏まえつつ、裁判員制度の導入に向けた課題の抽出、検討を行った。具体的に、(1)については、訴因制度との関係、控訴審のあり方との関係に着目し、争点・証拠の整理とその実効性確保のための立証制限の制度が、訴因変更の問題や控訴審における新たな証拠調べの問題にいかなる影響を与えるかを検討した。(2)については、伝聞法則との関係を中心に、争いのない事実の立証方法としての同意書面・合意書面の利用可能性、争いのある事件において証人尋問が行われた場合の刑訴法321条1項2号後段による検察官面前調書の利用可能性に焦点を当てた検討を行った。また、自白の証拠能力について、いわゆる違法排除説の理論史的意味の解明を試みたほか、科学的証拠の証拠能力、違法収集証拠の証拠能力について、議論の整理を試みた。以上のほか、新しい立法の動きにあわせ、裁判員制度のもとでの併合審理のあり方、被害者参加人制度のあり方についても、所要の検討を行った。
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