「義務教育教員養成における介護等体験の有効的な実施方法に関する研究」という研究課題で、平成17年度から平成19年度までの3カ年の研究を進めている。本研究では、教員養成を行っている大学、介護等体験を提供している福祉施設や学校、および介護等体験を受講する学生が、どのような課題や問題等を抱えているのかを明らかにするとともに、より実践的で効果的な実施方法を検討することを目的としている。本年度は、研究の2年目として次のことに取り組んだ。 義務教育教員養成を行っている大学において介護等体験を学生に受講させるに当たって、事前指導をどのように行っているのか、授業の中で介護等についての内容がどの程度取り入れられているのか等について、昨年度に続き広島県をはじめとして近隣の県を含めて調査を行った。その結果、多くの大学において、介護等体験を引き受けている福祉施設や学校から改善を求める意見が指摘されており、介護等体験の実施に関しての課題が多いことが示唆された。 介護等体験を引き受けている福祉施設や学校を対象として、どのような方法や内容で実習を行っているのかについて、広島県を中心に調査を行った。その結果、介護等体験をどのように進めていけば良いか等についての疑問や課題を多くの福祉施設や学校が抱えていることが示された。 学生に対して、介護等体験を通してどのようなことを学んだか、大学でどのようなことを学んでおくべきか、介護等体験にどのようなことを期待していたか等について調査を行った。その結果、大学や実習先に対しての多くの要望があることが示された。 今後は、大学や福祉施設や学校の対象数を増やし、併せて多くの学生を調査対象とすること等を通して、介護等体験の有効的な実施方法に関してのさらなる検討を行うとともに、研究の報告書をまとめていこうとしている。
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