研究課題/領域番号 |
17540039
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研究機関 | 国際基督教大学 |
研究代表者 |
鈴木 寛 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (10135767)
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研究分担者 |
清水 勇二 国際基督教大学, 教養学部, 准教授 (80187468)
山川 あい子 国際基督教大学, 教養学部, 助教授 (80112754)
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キーワード | 距離正則グラフ / アソシエーションスキーム / Terwilliger代数 / 完全正則符号 |
研究概要 |
1.距離正則グラフの部分集合Yに関するTerwilliger代数の加群の性質と距離正則グラフの性質を関連づける研究が進展した。 (1)投稿中の論文(文献1、文献2)が出版された。 (2)Yをサポートに持つベクトルが、tightという性質を持つと、そのベクトルはthinな既約加群を生成する。特に、Yの幅が2のときの研究が文献1であるが、Yの幅が3の場合に条件をつけて、Q多項式型に近い良い性質を持つことがK.S.Wangとの共同研究で示され、さらに研究が進展中。一般の幅の場合は、細谷氏との共同研究(文献2)の設定と似た状況の研究が世界各地で進展しており、最終的にどのような結果が期待できるかを明確に予想できる可能性が高まっている。 2.距離正則グラフの構造に関する研究が進展しつつある。 (1)最大の課題である幾何的girthの上限の存在に関する予想解決に関し、韓国の大学・研究所のチームによる代数的な側面の研究に大きな進展が見られるが、本研究では未だ明白な進展は得られていない。 (2)11月に訪中し、K.S.Wang氏、S.Gao氏など数人の研究者との研究打ち合わせを実施した。強閉な部分グラフを十分持つ場合に、それらが作る幾何から、グラフの性質を導く研究が進展中である。来年度には、半年S.Gao氏が来日予定であるので、本質的な結果として結実することが期待できる。 (3)K.S.Wang氏と共同で、距離正則グラフに関する本の一部をWeb版として出版準備中。 3.非原始的Q多項式型スキームの分類に関する2つの例外的なケースの一つがおこらないことが示された。 フィリピンからの大学院生D.Cerzoとの共同研究で、直径が4の場合の非存在が示され、仙台での国際シンポジウムで発表、論文を投稿中である。非原始的Q多項式型スキームの問題を整理し、草津・中国で発表の機会を得た。 4.国際的な雑誌に投稿された論文の査読5件を行い、さらに1〜3件本年度中に査読予定。
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