研究概要 |
数年前から開始した著書"Residuated Lattices:an algebraic glimpse at substructural logics"がガラトスを含む海外の研究者3名の協力により,数理論理学関係でもっとも権威のある"Studies in Logic and the Foudations of Mathematics"のシリーズ第151巻として平成19年4月にElsevierから出版された。すでに関連分野の研究者から基本的文献として評価されている。 平成19年6月にはアメリカのナッシュビルで開催された「順序,代数および論理」の国際会議において小野とガラトスはそれぞれtutorial talkと招待講演をおこない,部分構造論理において代数的方法がいかに有効に働くかを示した。この講演で紹介した,木原(研究生)およびガラトスとの成果はそれぞれ50頁にわたる論文として専門誌に投稿中,また投稿準備中である。 本研究のテーマである「代数的方法による論理学の研究」は近年大きな関心を集めている。平成19年8月のオクスフォード大学における第3回の「非古典論理における代数的およびトポロジー的方法による研究」の国際会議では,小野はその講演で本研究の成果を公表するとともに,この会議の運営委員としてこの研究課題についての今後の国際的な研究協力体制について検討をおこなった。 20年1月には当該分野における世界のトップクラスの研究者でありこれまで緊密な研究連絡をおこなってきた,Victoria University of Wellington(ニュージーランド)のRobert Goldblatt氏を訪問し,主としてトポロジー的な観点からRasiowa-Sikorskiの結果と,その論理学への応用可能性に関する共同研究をおこなった。
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