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2005 年度 実績報告書

大偏差原理とランダム媒質

研究課題

研究課題/領域番号 17540133
研究種目

基盤研究(C)

研究機関慶應義塾大学

研究代表者

田村 要造  慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (50171905)

研究分担者 前島 信  慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90051846)
田中 洋  慶應義塾大学, 名誉教授 (70011468)
鈴木 由紀  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30286645)
千代延 大造  関西学院大学, 理工学部, 助教授 (50197638)
高橋 弘  松江工業高等専門学校, 講師 (30413826)
キーワード大偏差原理 / カレント / ランダム媒質
研究概要

1.大偏差原理に関連しては次のような結果を得た。コンパクトなリーマン多様体上のカレントに対する大偏差原理を、その速度関数を明示する形で定式化することを目標とし、これにほぼ成功した。ただし、この大偏差原理を考える空間の位相についての考察が十分ではなく、大偏差原理の速度関数の表示がまだ十分とはいえない。なお、ここまでの結果についてはプレプリントにまとめられている。
2.ランダム媒質に関連しては以下のような結果を得た。先ず、非連結なフラクタル上のランダムウォークみ対し、均質化の問題を考えた。即ち、非連結なプレフラクタル上にある型のランダムな環境を与え、その中を動くランダムウォークに対し、ある適当なスケーリングをとると、これがフラクタル上の確率過程に収束することを示した。収束先の確率過程は、ランダムな環境が平均をもつ場合はフラクタル上のブラウン運動に、また平均が存在しない場合はフラクタル上のある半自己相似過程になることも示した。
3.次元の高いフラクタル上のランダムな環境を考えると、一つの方向として、多次元の半自己相似過程が考えられる。ここではこの概念を行列の意味で拡張した作用素的半自己相似過程を扱った。特に作用素的半自己相似過程の空間のスケーリングに現れる行列に関連した基本的ないくつかの性質について調べた。
4.また多次元のランダム媒質中の確率過程に関する極限定理のために、ここでは多次元ブラウン媒質中のブラウン粒子の再帰性、非再帰性ついて調べた。この結果、通常のブラウン媒質中のブラウン粒子は、次元に関係なく再帰的になることがわかり、また原点での反射壁ブラウン媒質中のブラウン粒子は、2次元以上では媒質の反射の向きにより再帰的になったり、非再帰的になったりすることが確かめられた。これらの結果はプレプリントにまとめられている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 その他

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Homogenization on disconnected selfsimilar fractal in R2005

    • 著者名/発表者名
      H.Takahashi, Y.Tamura
    • 雑誌名

      Tokyo J.Math. 28

      ページ: 127-138

  • [雑誌論文] Limit theorems related to a class of operator semi-selfsimilar processes2005

    • 著者名/発表者名
      T.Saijo, H.Takahashi
    • 雑誌名

      J.Math.Sci.Univ.Tokyo 12

      ページ: 111-140

  • [雑誌論文] Operator semi-selfsimilar processes and their space scaling matrices

    • 著者名/発表者名
      T.Saijo, Y.Tamura
    • 雑誌名

      Statist.Prob.Letters (in press)

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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