共焦点法による三次元計測システムを構築し、測定制度や分解能について検討した。ガルバノメータミラーを備えた走査光学系においてピンホールアレイを光軸に対して45度傾けて配置し、測定対象にピンホールアレイの像を投影した。反射光をCCDカメラで撮影し、ピンホールアレイの像の中心位置で輝度をサンプリングした。ガルバノメータミラーを駆動させて物体を三次元的に走査し、、サンプリングした輝度を奥行き方向で比較したときの最大となる位置を測定物体の表面として測定を行った。分解能は主にピンホールアレイの間隔で制限され、縦・横・奥行きともに175μmであり、測定範囲は一辺約9mmの立方体であった。 提案する共焦点法による実時間三次元計測を実現するために、処理機能を搭載した高機能撮像素子を設計し、要素回路の試作を行った。チップアーキテクチャとしては、受光器とアナログメモリと比較器がバス接続された行並列回路とした。試作した回路により構成要素の動作を確認した。さらに3×3画素構成の高機能イメージセンサとしての動作を確認した。 三次元計測結果を表示するために体積走査法に基づく立体ディスプレイシステムを試作した。凹面鏡とガルバノメータミラーにより走査光学系を構成し、二次元ディスプレイのスクリーンを光軸に対して45度傾斜させて配置した。ミラーを高速に駆動し、スクリーンの像を移動させながら、その位置に応じて表示物体の断面形状を表示することにより、残像によって三次元像を形成することができた。二次元スクリーンとしてベクトル走査型CRTディスプレイとデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)をそれぞれ使用したシステムを構成した。CRTディスプレイを用いたシステムに比べてDMDを用いたシステムでは蛍光の残光の問題がなく、解像度1024×768×150の高精細な三次元立体像を形成させることができた。
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