研究課題/領域番号 |
17591221
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
今村 明 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (40325642)
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研究分担者 |
伊東 勉 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (40363501)
小澤 寛樹 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (50260766)
西岡 憲一 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 助手 (80370120)
岡崎 祐士 東京都精神医学総合研究所, 客員研究員 (40010318)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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キーワード | 統合失調症 / 一卵性双生児 / エピジェネティクス / SNP解析 / 発現解析 |
研究概要 |
一卵性双生児DSM-IV統合失調症不一致例5組と健常一卵性双生児6組を対象として、そのDNAメチル化などエピジェネティックな差異を検討した。メチル化感受性制限酵素(HapII)とコントロールとして同じ配列CCGGを認識するがメチル化感受性の異なる制限酵素(MSPI)を用いて、統合失調症の候補遺伝子であるDRD2のプロモーター領域にあるHapII/MspI領域を対象として実験を行った。一卵性双生児統合失調症不一致例のDNAを制限酵素で消化し、ポリアクリルアミドゲルで電気泳動を行った。5例中4例はDRD2のメチル化が罹患双生児の方が程度が大きく、残りの一例はほぼ同等であるという結果となった。このことはDRD2のプロモーター領域のメチル化が双生児の不一致となんらかの関係があるという仮説と矛盾しない。 また上記のうち1組の統合失調症不一致組を対象として、Affymetrix社製GeneChip Human Mapping100KSetとGeneChip Human GenomeU133Plus2.0Arrayを用いてSNP解析と発現解析を同時に行った。遺伝子発現の差を引き起こす可能性のあるものとして、発現変動した遺伝子の5'上流域に存在するSNPまたは、イントロンに存在する4つのSNPと、異なる信号強度がみられたSNPのうちで遺伝子の発現変動は起こさないが、アミノ酸置換を誘引するか、スプライシングに影響を及ぼすSNPとして、遺伝子のイントロン、エクソン内に存在する21のSNPを同定した。今回、シークエンスによってSNP自体が変化しているわけではないことが確かめられており、この近傍の領域になんらかのエピジェネティックな変化が生じている可能性が高いものと思われる。今後、これらの領域に対してヒストンのアセチル化やメチル化の差異を検出する試みを続けていく予定である。
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