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2006 年度 実績報告書

医学部学生のための呼吸器画像診断学実習法の確立を目指して

研究課題

研究課題/領域番号 17591259
研究機関福井大学

研究代表者

伊藤 春海  福井大学, 医学部, 教授 (40026943)

キーワード放射線診断学教育 / 画像診断学教育 / 呼吸器画像診断学教育 / 医学教育 / 臨床実習
研究概要

「教育資源の整備」:過去30年間に亘り蓄積した呼吸器画像診断学の資料の内、学生教育に適するものを発掘、整理しディジタル化した。特に留意したのが標本像であった。標本像は放射線画像と異なり、機器の進歩に左右されない価値を有し、30年前に撮影されたものでも充分に実用に耐える画質を有する事が分かった。古い標本像は、そのままでは背景の劣化などの問題があるが、最新のディジタル化技術はそれを補い、最近撮影されたものと遜色ないものに蘇らせることが出来た。標本像のうち、最も重要と考えたのが肉眼像である。肺の全体像とその割面像が学生に高く評価された。そこで、稀な呼吸器疾患を敢えて避け、正常例、肺癌、肺結核、肺炎、肺気腫、塵肺、特発性間質性肺炎、気管支拡張症などの標本肉眼像とエックス線像、CTを用意した。
「教育方法の工夫」:研究代表者(伊藤)は多人数相手の一般学生講義を年間8回程度担当した。その際には、標本像とエックス線像を約80種類選択し、カラー印刷で全員に配布した。学生による授業評価は高く、卒業後も手元に残す資料として保管したいという感想が多かった。5ないし6年次生の臨床実習については、6-7人のグループを対象に、専用の画像診断実習室において、呼吸器画像診断という科目名の基、1回3時間、週3-4回、年間130回程度を担当した。これで1人の学生は年間27時間の呼吸器画像診断実習を受けたことになる。特に留意したのは正常エックス線像の理解である。我が国における胸部写真の教育で最も欠落している領域と考えるからである。この実習内容について、市販のテキストによる自習が不可能であるとする感想が多かった。
「結語」:医学生が教員と時間、空間を共有する実習形式を採用した。提出された実習レポートにおいて、短期間の間にも拘わらず、格段の技術の進歩を体験し、さらに医学を勉強する方法、それらを支える倫理感を学んだとする感想が多かった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] 呼吸器感染症の画像診断に必要とされる肺既存構造2007

    • 著者名/発表者名
      伊藤 春海
    • 雑誌名

      化学療法の領域 23.1

      ページ: 20-29

  • [雑誌論文] 肺末梢の気道と肺血管について2006

    • 著者名/発表者名
      伊藤 春海
    • 雑誌名

      気管支学 28.1

      ページ: 9-14

  • [雑誌論文] 胸部エックス線写真、CTの正常像を見直す-Radiologic-Anatomic Correlation-2006

    • 著者名/発表者名
      伊藤 春海
    • 雑誌名

      肺癌 46.1

      ページ: 49-57

  • [雑誌論文] 肺がんのCT診断〜Radiologic-Anatomic-Pathologic Correlation〜2006

    • 著者名/発表者名
      伊藤 春海
    • 雑誌名

      医薬ジャーナル 42.6

      ページ: 5-11

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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