研究課題/領域番号 |
17591520
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
中村 英夫 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (30359963)
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研究分担者 |
倉津 純一 熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 教授 (20145296)
荒木 令江 熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 助教授 (80253722)
牧野 敬史 熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 助手 (90381011)
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キーワード | 悪性神経膠腫 / h-neu / Real-Time PCR / si-RNA / プロテオミクス / Northern blot |
研究概要 |
我々は、10番染色体10q25.1に位置するh-neuの機能解析を行い、この遺伝子が悪性神経膠腫においてどのように機能しているかを見出すべく実験をおこなってきた。まず、h-neuの抗体を作製し、この抗体がh-neu蛋白を検出できることを免疫組織学的に観察できたので、この抗体を使って悪性神経膠腫のサンプルを用いてgradeごとの染色を行った。しかし、gradeごとの染色性の違いが認められなかったために、h-neuの発現はそれ程高くないと判断し、Real-Time PCRを行ったところ、悪性神経膠腫ほど発現が低下している傾向が認められた。このh-neuの発現の低下が悪性神経膠腫の生物学的特性にどのような影響を与えるかを解析するために、われわれはh-neuのsi-RNAを作製し、悪性神経膠腫の培養細胞でh-neuの発現を強制的に低下させ、コントロール群とで増殖速度の比較を行ったが、差を認めなかった。逆にh-neuを強制的に高発現させて、悪性神経膠腫の培養細胞の増殖速度を解析したところ、培養細胞の株の種類によって結果のばらつきが認められた。この結果のばらつきが、もともと細胞株のh-neuの発現の違いによるものである可能性をNorthern blotにて定量したが、h-neuの発現量と増殖速度抑制との相関は培養細胞での実験では認められなかった。そこで、h-neu自体がどのような機能を持っているのかをまず解析することにしてh-neuの強制発現系を用いてプロテオミクスによる解析の準備を行っている。現時点ではまだ新しい知見は得られていない状況であるが、今後もh-neuの機能解析を続行していく予定である。
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