研究課題/領域番号 |
17591941
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
久木田 明子 佐賀大学, 医学部, 助教授 (30153266)
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研究分担者 |
久木田 敏夫 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (70150464)
菖蒲池 健夫 佐賀大学, 医学部, 助手 (70336113)
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キーワード | 破骨細胞 / 転写制御因子 / トランスジェニックマウス / カテプシンK |
研究概要 |
破骨細胞で発現する転写制御因子OCZFの破骨細胞における機能について明らかにするために、破骨細胞特異的なプロモーターであるカテプシンKプロモーターを用いてOCZFを発現させたトランスジェニックマウスを作成した。F1、F2及びF3マウスを用いてOCZFの発現の高い3つのラインのマウスから骨髄細胞を単離し、骨髄細胞から形成したマクロファージに破骨細胞分化因子RANKLを添加したときに誘導される破骨細胞の形成能について検討した。その結果、OCZFを発現させたトランスジェニックマウスでは、RANKLが低濃度の時の破骨細胞の形成が野生型と比較して促進されることがわかった。また、OCZFトランスジェニックマウスではより核数の多い破骨細胞が形成された。次に、6週令のオス及びメスのマウスの大腿骨と脛骨を単離し、マイクロフォーカスX線スキャナー及びX線レントゲンによる骨構造解析を行った。その結果、OCZFトランスジェニックマウスにおいては、脛骨近位端において海綿骨の体積の低下が見られた。また、末梢骨定量的CT(Peripheral quantitative computed tomography)法を用いて骨密度及び骨の力学的性質の解析を行った結果、大腿骨の遠位骨幹端部において海綿骨の骨密度の減少及び骨の力学的な強さの低下がみられた。さらに、OCZFトランスジェニックマウスの脛骨近位端の非脱灰標本を作製し、骨形態計測を行い、骨の代謝機能について解析を行った。骨形成について調べるために、カルセインによる骨標識を行った結果、骨形成速度には大きな違いは見られなかった。また一方、破骨細胞に特異的な酵素である酒石酸抵抗性酸フォスファターゼによる染色を行い骨吸収について検討した結果、破骨細胞数の増加傾向、また、フォンコッサ染色では骨量の減少傾向が見られた。このようにOCZFトランスジェニックマウスにおいては、野生型と比較すると破骨細胞の機能分化に影響がみられた。
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