研究課題
基盤研究(C)
本研究においては、まず、徳倫理学および技術者倫理関連書籍の分析や、国際学会での研究動向の調査を行った。そうした検討から判明してきたのは、誇りが倫理的な行動の動機付けとなるという視点は既存の徳倫理学では一貫して見落とされてきたということである。本研究分担者全員が参加する名古屋工学倫理研究会では、初年度に北海道大学の研究グループとの合同のリスク研究会、台湾の研究者と合同の国際ワークショプなどを開催し、第二年度に航空機事故をテーマとした事例研究の研究会、技術者を専門職としてとらえることについて考える研究会、科学技術社会論学会でのワークショップ、技術倫理教科書の比較検討の研究会などを開催した。以上のような研究会を通して内外の工学倫理研究者および技術者と交流してきた中からいくつかの成果が得られた。一つは、誇りをベースとした倫理教育が望ましくないタイプのエリート主義につながるかどうかの検討であり、これについては、哲学・倫理学の観点だけではなく、心理学的・社会学的背景まで考慮に入れてもう一度検討しなおす必要があることが本研究を通して明らかになってきた。もう一つ明らかとなってきたのは、技術者倫理は技術者だけの問題とするのではなく安全を保証する社会システムの一部としてとらえる必要があり、技術者倫理教育もその一環という位置づけで内容を吟味する必要があるということである。また、技術者の側の倫理的な自覚を促す方法として、技術が社会のために積極的に貢献している面について注意をむけさせるような教育手法が有効と推測されることもいくつかの研究の検討から明らかになってきた。以上のような研究活動と並行して、教科書『誇り高い技術者になろう』をベースとした教育のための教材開発についても、研究分担者それぞれが行い、名古屋大学や南山大学における技術者倫理の授業で利用された。
すべて 2007 2006 2005
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