研究課題
環境負荷の低減を実現するためには、エコサービスの普及が重要である。そのため、エコサービスの環境影響の低減効果及び経済的効果を定量的に評価し、その効果が得られる仕組みを分析する必要がある。本研究では、あらゆるサービスに対応できる新たな分類法を提案することを目的とし、実際に行われているエコサービス事業に対し、LCAを用いた環境影響の定量的な評価の評価を行った。エコサービスの分類のアプローチとして、基本単位となる「単位サービス」を「エコサービス原理」とし、それを確立することによってあらゆるエコサービスを定義した。そのために、約300社の環境報告書及びホームページより情報を収集し、156種類の環境配慮型のサービスのデータベースを構築した。そして、それらのサービスを単位サービスごとに分解し、製品及び物質をベースとしたサービスと、純粋なサービスに分類し、エコサービス原理の抽出を行った。日本における代表的なエコサービスの一つとして、リサイクル事業が挙げられる。リサイクル事業は廃棄物の有効利用による最終処分場の延命には効果的であるが、エネルギー使用の増大や、Co_2等の環境負荷物質の排出量の増大の可能性がある。従って、これらのトレードオフを考慮に入れた環境影響評価を行った。埼玉県日高市で行われている都市ごみ資源化事業をケーススタディとし、廃棄物利用事業の環境影響低減効果の評価を行った。評価手法としてLIMEを用いた。その結果、エネルギー回収を行う廃棄物のリサイクル事業は、環境影響の低減に有効なエコサービス事業であることが確認された。また、エコプロダクト・エコサービスの評価のために、熱力学的アプローチを用いた資源枯渇性を再評価し、その結果をLCA・エコロジカルフットプリントへ応用する手法の提案も行った。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (9件)
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