本研究は、高精細画像閲覧システムをベースにして新しくデータベースシステムを開発し、そこに、フルテキストをデータベース化するシステムを合わせて搭載することにより、そこに展開されるデータベースの情報を多重化しようとするものである。このシステム構築が成功することにより、例えば地図のような座標によって管理される情報が中心になる画像がベースになるデータベースと、名所図会のような画像もテキストも情報としてあり、比率としては半々のもの、さらには、源氏物語、勅撰集や歴史史料などのテキスト本位のデータベースが統合され、いわゆる文字列という概念によって検索されるいろいろな情報が重なって検索でき、連動して表示できるので、利用者の理解が促進され、思考が能率的になることが見込まれる。 フルテキストなので、検索され、表示される情報は地名だけでなく、固有名詞全般は言うに及ばず、普通の文字列検索としても機能する。さらに画像表示は、昔の絵と現在の写真とを同時に比較できるように工夫するなど、いわば、情報を選ばずに多様に検索・表示できるように心がけている。 タグ方式はXMLを採用する予定であったが、今まで開発のベースになっている方式でまず成功させることを優先し、XML化は将来のこととした。将来的にはXML形式を採用し、実用化に向けてさまざまな配慮を入れ込んでいきたいと考えている。 平成18年度は、その新規開発システムの構築を中心に進め、関連の資料購入にも努めた。
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