研究概要 |
Stigmoid body(STB)は、ほ乳類の脳内で辺縁系や視床下部に特異的に分布している神経細胞質内封入体(1〜4μm)であり、脳内分布と電顕レベルでの構造が明らかにされている。しかしながら、その生理的役割については明らかにされていない。本研究の目的は、脳内におけるSTBの時期特異的変化とステロイド受容体との関係に注目し、STBの重要性を確立することである。STBのマーカー分子であるハンチントン病関連蛋白質HAP1(Huntingtin-associated protein 1)の抗体を用いた免疫組織化学法により胎生期及び生後発達段階における脳領域特異的なHAP1-immunoreactive STB(HAP1-I STB)の出現変化を見出した。内側扁桃体や分界条床核を中心に定量化を行うと、生後2週間の間の変化が特に顕著であった。また、HAP1-I STBと性ステロイド受容体であるアンドロゲン受容体(AR)との共存関係について、脳全体での解析がほぼ終了し、扁桃体や視床下部で強い共存関孫を示し、一部の脳幹部、大脳皮質、海馬では強い関係は見出されなかった。本研究課題には含まれないが、培養細胞下においてHAP1/STBとARが相互作用することを見出し,論文発表を行った。
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