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2021 年度 実績報告書

保存処理材料が共存する有機文化財の後世調査に対する微量分析システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 17H00833
研究機関明治大学

研究代表者

神谷 嘉美  明治大学, 研究・知財戦略機構(生田), 研究推進員(客員研究員) (90445841)

研究分担者 本多 貴之  明治大学, 理工学部, 専任准教授 (40409462)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード漆文化財 / 複層構造 / Py-GC/MS / 保存処置 / 微量分析
研究実績の概要

本研究では、製作当初につくられた有機材料の文化財に対して、後世で保存処置等が施された場合の複層構造をした微小な欠片から、いかに各層の情報を複数取り出すかという問題に取り組んでいる。
再現した実験サンプルではなく、実際に後世での修理として合成樹脂による保存処理が行われていた漆塗り遺物に関して、塗布された漆液の樹種の識別が可能なだけの情報を得られるかのどうかPy-GC/MSでの分析を実施した。結果としては懸念していたとおり、処理剤として用いられた合成樹脂材料に由来する熱分解生成物が非常に強く検出されてしまい、漆樹を識別できるだけの情報を得ることができないとわかった。漆樹の種類の判定に用いられるm/z 108のイオン抽出を試みても、3-アルキルフェノールに由来するピーク類を補足することはできなかった。さらに対象とした漆塗り遺物は、保存処置の合成樹脂材料に必要な情報が阻害されているだけでなく、塗膜中に含まれている水銀朱(正確には水銀に由来するスペクトル)の情報が非常に強く検出されており、漆樹の種類を識別することは困難だとわかった。この課題に対して、ソックスレー抽出を試すといった実験を行いたかったものの、COVID-19の流行だけでなくウクライナ情勢の影響によって、熱分析に必須のHeガスの入手困難な状況が続き、予定していたサンプルの分析を推進することは難しかった。一方で分担者は、得られた成果について速やかな情報の公表を心がけ、これまでの分析結果をまとめる作業に注力した。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (4件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] 小石川一丁目遺跡出土漆製品分析2022

    • 著者名/発表者名
      本多貴之
    • 雑誌名

      東京都文京区小石川一丁目遺跡報告書

      巻: 第3分冊 ページ: 153-193

  • [雑誌論文] 金瓦等の科学分析2022

    • 著者名/発表者名
      本多貴之
    • 雑誌名

      駿府城本丸・天守台跡-駿府城公園再整備に伴う発掘調査報告書-

      巻: - ページ: 36-42

  • [雑誌論文] 青森県是川中居遺跡における漆塗り土器の研究2022

    • 著者名/発表者名
      阿部芳郎、本多貴之、蒲生侑佳、永井義 隆、小久保拓也
    • 雑誌名

      八戸市埋蔵文化財セ ンター是川縄文館研究紀要

      巻: 11 ページ: 33-44

  • [雑誌論文] 向方南遺跡における漆分析2021

    • 著者名/発表者名
      本多貴之
    • 雑誌名

      杉並区埋蔵文化財報告書(東京都杉並区向方南遺跡E地点)

      巻: 78 ページ: 148-157

  • [学会発表] 漆文化の起源の解明にむけた天然資源活用の実態に関する基礎的研究2022

    • 著者名/発表者名
      神谷嘉美
    • 学会等名
      第12回北陸銀行若手研究者助成金報告会
  • [学会発表] 二里頭遺跡、陶寺遺跡の出土品報告2022

    • 著者名/発表者名
      神谷嘉美
    • 学会等名
      《中国文明起源》第3回領域全体会議
  • [学会発表] 黒漆雲龍螺鈿盆の加飾技法に関する光学調査2021

    • 著者名/発表者名
      神谷嘉美
    • 学会等名
      漆サミット2021
  • [学会発表] 南蛮漆器を彩る金線の材料に関する形状分析2021

    • 著者名/発表者名
      神谷嘉美
    • 学会等名
      歴史遺産研究センター(漆部会)第26回漆の勉強会
  • [学会発表] 威信材から読み解く古代中国の生業:環境復元のための物質文化研究2021

    • 著者名/発表者名
      渋谷綾子・神谷嘉美・南 武志・飯塚義之・石田智子
    • 学会等名
      第36回日本植生史学会大会 B:人と植物の関係史

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公開日: 2023-12-25  

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