研究課題/領域番号 |
17H00904
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
伊吹 敦 東洋大学, 文学部, 教授 (20250029)
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研究分担者 |
何 燕生 郡山女子大学短期大学部, その他部局等, 教授 (00292186)
齋藤 智寛 東北大学, 文学研究科, 教授 (10400201)
柳 幹康 東京大学, 東洋文化研究所, 准教授 (10779284)
土屋 太祐 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (20503866)
村松 哲文 駒澤大学, 仏教学部, 教授 (30339725)
程 正 駒澤大学, 仏教学部, 教授 (60433752)
舘 隆志 駒澤大学, 仏教学部, 講師 (70771509)
原田 香織 東洋大学, 文学部, 教授 (90227017)
ダヴァン ディディエ 国文学研究資料館, 研究部, 准教授 (90783291)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 禅宗史 / 禅文献 / 禅思想 / 禅文化 / 国際交流 |
研究実績の概要 |
本プロジェクトは、中国禅を研究対象とする第Ⅰ部会と日本禅を研究対象とする第Ⅱ部会からなるが、令和二年度は、第Ⅰ部会は2回の定例研究会(11月7日「初期禅宗史研討会II」、12月12日「定例研究会ならびに陳金華先生講演会」)を開催したが、第Ⅱ部会は定例研究会の開催には至らなかった。2回の定例研究会は事前に概要を配布の上、一般からも参加を募っていずれもオンラインでの開催となった。定例研究会では、研究代表者の伊吹敦のほか、研究分担者の程正氏が研究発表を行った。また、これらの定例研究会のうち、12月12日の定例研究会では、この機会を利用してカナダのブリティッシュ・コロンビア大学教授の陳金華先生にオンライン講演をお願いした。 コロナウィルスの流行が予想以上に広まり、国内外の移動が制限されたため、定例研究会の開催回数も減らさざるを得ず、2020年度に開催を予定していた二つの国際シンポジウム(「禅文化に関するシンポジウム」・「中国・韓国・日本 看話禅の諸相」)についても2021年度に延期することとなった。 定例研究会とは別に、日本(東洋大学)・中国(人民大学)・韓国(金剛大学)の三校で継続的に開催している国際シンポジウム「日・韓・中 国際仏教学術大会」を書面シンポジウムという形で東洋大学東洋学研究所と共催した。本来であれば2020年度は日本の東洋大学において対面の国際シンポジウムを開催する予定であったが、コロナウィルスの流行が収束せず、書面開催という形で実施した。このシンポジウムの記録は『東アジア仏教学術論集』第9号として刊行される予定である。 また、2019年度に実施した国際シンポジウム等での発表内容を中心とする論文を集録した本研究プロジェクト編集の学術雑誌、『国際禅研究』第5号・6号の2冊を刊行した(2020年8月・全376頁、2020年11月・全235頁)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和二年度は、コロナウィルス流行の影響を受け、オンラインにて定例研究会(うち一回は海外研究者による講演も開催した)を二回開催したのに留まり、予定していた二つの国際シンポジウムを2021年度へと延期せざるを得なかった。しかし、東洋大学東洋学研究所と書面シンポジウムの形ではあったが、国際シンポジウム「日・韓・中 国際仏教学術大会」を開催することはできた。 本プロジェクトの研究報告書である『国際禅研究』については、2019年度の国際シンポジウムでの講演・発表を中心とする諸論文を収録して、第5号・第6号の2冊を刊行することが出来た。これは本研究プロジェクトの活発な活動を示すものであると考えている。 以上、コロナ禍の影響により発生した問題点は思いのほか大きいものであり、全体を振り返るとき、当初の計画から予想していた実績・成果から考えると、進捗状況はやや遅れていると言わざるを得ない。
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今後の研究の推進方策 |
令和二年度の研究実績および状況を踏まえ、今後の研究の推進方策として以下のものを考えている。 1.2020年度に実施できなかった国際シンポジウム(「禅文化に関するシンポジウム」・「中国・韓国・日本 看話禅の諸相」)を開催する。具体的には、第Ⅰ部会に関しては、年度後半の11月に「中国・韓国・日本 看話禅の諸相」として開催する予定で企画を進めている。第Ⅱ部会に関しては、可能であれば年度前半に「禅文化に関するシンポジウム」を開催する予定で企画を進めている。さらに、2021年度は本研究プロジェクトの最終年度ということもあり、研究期間全体にわたっての成果を内外に示すため、禅思想の問題点を明らかにするとともに、現在・未来における禅思想・仏教思想の可能性を探ることをテーマとする国際シンポジウムの開催についても構想している。しかし、コロナウィルスの流行がどれほど収束してくるかによって、シンポジウムの開催や方法についても、オンラインにするなど変更せざるを得ない可能性がある。ここから、シンポジウムについては状況の変化を見守りつつ開催を期したいと思っている。 2.本研究の5年間の活動成果については、夏前の刊行を予定している『国際禅研究』第7号(特集「禅研究の現在」)や『国際禅研究』第8号(禅文化シンポジウム・看話禅シンポジウム特集号)としても発表する予定である。第7号は、現時点での日本における禅研究の状況を俯瞰できるような内容となる予定である。第8号は、2021年度開催予定の国際シンポジウム「禅文化に関するシンポジウム」・「中国・韓国・日本 看話禅の諸相」における発表論考や講演録を収録する予定にしており、年度末までに編集の上、刊行する予定である。
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