本研究では、プルシャンブルー類似体(PBA)を電子-格子-イオン系とみなし、電気化学的にNa濃度を可逆的に制御しその物性を精密に調べた。そして、エネルギー差と自己主張―融合型との相関の解明、PBAの酸化プロセスの同定、拡張型電荷移動モデルの提案、を行った。電気化学(化学分野)と固体物理学(物理学)の境界領域において一定の成果を上げたことは、異分野分野融合の観点から学術的意義が大きいと考える。また、本研究により、Naの挿入/脱離に伴う構造/電子状態の変化が明らかになった。電池プロセスの微視的理解に貢献できたという意味において、社会的意義も大きいと考える。
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