熱を電気に変える熱電変換技術において、熱・化学的に安定で、毒性がない金属酸化物は魅力的な熱電材料候補だが、熱伝導率が高いため、従来材料と比較して変換性能が低いという問題がある。本研究では、ナノ周期平行平板構造が熱伝導率に及ぼす影響を実験的に解明するため、層状構造を有する酸化物単結晶薄膜を作製し、層に直交・平行方向の熱伝導率を精密計測した。結果(1)InGaO3(ZnO)m:ナノ周期平行平板構造の面直方向の熱伝導率が、多結晶の熱伝導率よりも低いことを見出した。結果(2)層状コバルト酸化物薄膜:過去最高の室温熱電変換性能指数(ZT=0.11)を示すBa1/3CoO2薄膜を実現した。
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