研究課題/領域番号 |
17H01496
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地域環境工学・計画学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
森 也寸志 岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (80252899)
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研究分担者 |
松本 真悟 島根大学, 学術研究院農生命科学系, 教授 (00346371)
金子 信博 福島大学, 食農学類, 教授 (30183271)
大澤 和敏 宇都宮大学, 農学部, 教授 (30376941)
辻本 久美子 岡山大学, 環境生命科学研究科, 助教 (80557702)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 土壌劣化 / マクロポア / 浸透現象 / 炭素固定 / 植生回復 |
研究成果の概要 |
土壌は陸域最大の炭素貯蔵庫かつ植物が育つ貴重な培地であり,有機質土壌の保全は生態系の安定に必須である.土壌の有機質化に,間隙構造と下方浸透という物理的側面が強く関係している成果を得たため,流域規模で土壌有機物が蓄積・消失するメカニズムを明らかにした.下方浸透は土壌の有機物を増加させるが,土壌劣化の最大の原因である土壌流亡はそれをキャンセルする影響を持つこと,農地における有機物の施用は水管理によってはメタンの発生と農地構造を不安定にすることがわかった.大陸レベルの土壌有機物の保全には,CECやシルト含量だけでなく透水性因子が関わることがわかり,広域においても物理的側面の重要性が明らかになった.
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自由記述の分野 |
土壌環境工学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
土壌は陸域最大の炭素貯蔵庫であり,土壌管理が原因とされる二酸化炭素の大気への放出は1.1Gtで化石燃料による放出5.5Gtの二割を占める.工業的には二酸化炭素地下貯留技術の技術開発が進んでいるが,これは化石燃料分の軽減策であり,自然環境の劣化分を放置しておいて良いという図式にはならない.土壌中の有機物の蓄積と消失には複雑な因子が絡んでいるが,化学的側面に加えて土壌間隙構造という物理的側面がそれに関わることを示した成果である.生態系保全のために土壌環境を補強すると共に,土壌の有機質化の可能性を示し,二酸化炭素削減のための手段を提供する研究であり社会に対して還元できるところは多い.
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