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2018 年度 実績報告書

トランス・サイエンス問題の解決に資する知識共創型アーギュメンテーションの教師教育

研究課題

研究課題/領域番号 17H01979
研究機関神戸大学

研究代表者

坂本 美紀  神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (90293729)

研究分担者 山口 悦司  神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (00324898)
山本 智一  兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (70584572)
稲垣 成哲  神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70176387)
益川 弘如  聖心女子大学, 文学部, 教授 (50367661)
西垣 順子  大阪市立大学, 大学教育研究センター, 准教授 (80345769)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードトランス・サイエンス問題 / アーギュメンテーション / 科学教師教育
研究実績の概要

トランス・サイエンス問題の一種である科学技術の社会問題に焦点を当て,問題の解決に資する知識共創型アーギュメンテーションの教師教育プログラムの開発と検証を継続した。前年度に行った予備的な実験授業の成果評価をもとに,教育プログラムを改善し,規模を拡大した本格的な実証研究を行った。教育プログラムは,遺伝子組換えによるスギ花粉症緩和米の開発の是非を取り上げた。成果評価では,意見対立や複数の論点を踏まえた意思決定能力の育成に着目した。意思決定の意見文を授業の前後で作成させ,論証構造ならびに提言としての質の観点から比較した(a)ほか,プログラムで獲得した意思決定の力が,授業で扱わなかった他のトランス・サイエンス問題でも発揮されるかどうかを検討した(b)。研究発表とその準備状況は以下の通り。予備的な実験授業に関しては,開発した教育プログラムの内容を日本理科教育学会全国大会で,(a)を日本教育心理学会総会,(b)をXVIII IOSTE Symposiumと日本科学教育学会年会で,学習活動の分析を日本発達心理学会大会で,それぞれ発表した。本格的な実験授業に関しては,教育プログラムのデザイン要素をXVIII IOSTE Symposiumで,(b)を日本科学教育学会研究会で発表し,(a)をThe 13th Conference of the European Science Education Research Association(ESERA 2019)に投稿した。発表は次年度の予定である。また,小学生向けの教育プログラムを開発し,神戸大学附属小学校の総合的な学習の時間(第5学年の2クラス)で実験授業を実施して,教師教育用のコンテンツ開発につながる各種データの収集を行った。開発した教育プログラムの内容を日本科学教育学会研究会で発表したほか,収集したデータの分析と発表準備を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

交付申請書に記載した研究目的については,おおむね順調に達成されている。予備的な実験授業の成果評価,評価に基づく教育プログラムの改善,コンテンツ開発,プログラムのバリエーションの開発,本格的な実証研究を,ほぼ予定通り進めることができており,中間成果を,国内学会で発表したり,国際会議に投稿したりすることも達成できている。

今後の研究の推進方策

本年度は,トランス・サイエンス問題の解決に資する知識共創型アーギュメンテーションの教師教育プログラムの開発・拡充を終了し,結論を導出する。教師教育プログラムの開発・拡充に際しては,教師教育用のコンテンツ開発として,神戸大学附属小学校の総合的な学習の時間(第5学年の2クラスを予定)において,実験授業を実施し,学習活動のビデオ記録や学習終了後のインタビュー記録,問題解決に必要な知識と思考スキルの獲得に関わる学習中のポートフォリオなどの各種データの収集を継続して実施する。併せて,評価法の詳細の確定と研究成果の全体的な総括に注力する。教育心理学および科学教育研究に関する国内学会(日本教育心理学会第61回総会,2019年度日本科学教育学会研究会など),科学教育研究に関する国際会議(The 13th Conference of the European Science Education Research Association(ESERA 2019)等)にて,研究成果を公表する予定である。このうち,国際会議2件は採択された。公表可能な研究成果には,授業のデザイン指針およびモデルケース,評価フレームワークや評価ルーブリック,特に評価課題とその採点ルーブリック,数量的分析による授業の成果評価等を予定している。社会還元のフィードバックや学会等における議論を踏まえて内容を精緻化し,研究成果を学術論文等で公表するとともに,研究の総括を行う。この研究の総括に基づいて,研究成果報告書を作成する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 3件、 査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 科学技術の社会問題を取り上げた小学生向け教育プログラムの開発2018

    • 著者名/発表者名
      都倉さゆり・山口悦司・坂本美紀・山本智一・稲垣成哲・若林和也・俣野源晃
    • 雑誌名

      日本科学教育学会研究会研究報告

      巻: 33(3) ページ: 21-24

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 科学技術の社会問題を取り上げた大学生向け教育プログラムの評価:複数視点取得に着目して2018

    • 著者名/発表者名
      若林和也・都倉さゆり・山口悦司・坂本美紀・山本智一・稲垣成哲
    • 雑誌名

      日本科学教育学会研究会研究報告

      巻: 33(3) ページ: 25-28

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Informal reasoning for socio-scientific issues concerning dilemmas faced by genetic medical technologies.2018

    • 著者名/発表者名
      SAKAMOTO,M. & YAMAGUCHI,E.
    • 雑誌名

      Electronic Proceedings of the ESERA 2017 Conference. Research, Practice and Collaboration in Science Education, Part 8

      巻: - ページ: 1069-1075

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 科学技術の社会問題に対する公共的な提言を目指した授業の評価-スギ花粉症緩和米の是非をめぐる意見の協調に取り組んだ学習活動の分析-2019

    • 著者名/発表者名
      坂本美紀・山口悦司・若林和也・山本智一
    • 学会等名
      日本発達心理学会第30回大会
  • [学会発表] 科学技術の社会問題の教育利用-思考の生涯発達心理学から2018

    • 著者名/発表者名
      坂本美紀
    • 学会等名
      日本科学教育学会第42回年会
    • 招待講演
  • [学会発表] 科学技術の社会問題に対する公共的な提言を目指した授業の評価-スギ花粉症緩和米の是非をめぐる意見の協調に着目して-2018

    • 著者名/発表者名
      坂本美紀・若林和也・山本智一・山口悦司
    • 学会等名
      日本教育心理学会第60回総会
  • [学会発表] 科学技術の社会問題を取り上げた教育プログラムの開発:遺伝子組換え技術を応用した花粉緩和米を事例として2018

    • 著者名/発表者名
      若林和也・山口悦司・坂本美紀・山本智一・稲垣成哲
    • 学会等名
      日本理科教育学会第68回全国大会
  • [学会発表] 科学技術の社会問題を取り上げた教育プログラムの評価:転移テストの分析結果を中心として2018

    • 著者名/発表者名
      若林和也・山口悦司・坂本美紀・山本智一・稲垣成哲
    • 学会等名
      日本科学教育学会第42回年会

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公開日: 2019-12-27  

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