研究課題
基盤研究(B)
本研究では、東日本大震災発生後、先行研究の5年を含め、ほぼ10年、半年毎に宮城県で環境再生状況の現地調査を実施した。また、熊本地震についても、毎年、現地調査を実施し、その結果を衛星画像と対応付けることで、地球環境教育を実践する研究を実施した。定点で撮影した現地写真等を衛星画像と対応付けることで、環境再生の状況が多角的に捉えられ、地球環境教育に適した教材を整備することができた。本研究では、調査に参加した大学生や高校生が、こうした調査やデータ解析を通じて、被災の深刻さや環境再生状況の力強さを実感し、問題意識を持つようになってくれたことは大きな成果であった。海外に対しても大きな情報発信が実現できた。
複合領域
これまでの地球環境教育は、地球環境が如何に悪化しているかを強調する傾向が強かった。また地球観測衛星による被災地の観測は、主にその被害状況の把握に活用されてきた。これに対して本研究は、被災地の環境がどのように再生していくかを衛星画像と現地調査を通じて明らかにしようとした点に学術的・社会的な意義がある。またその調査に大学生や高校生も参加してもらい、その調査を通じて地球環境教育を実践した。特に、被災地のいくつかの地点で定点観測を行い、その時系列現地写真と衛星画像を対応つけることで、環境の再生状況をローカルな視点と衛星からのグローバルな視点で考える教材を整備し、公開できたことが重要である。