研究課題
本研究は,問題解決の場において、必要に応じて他者の助けを借りながら課題に取り組み、協働的作業の一部を手伝ってもらったり、道具や情報を提供してもらったりするなど、他者の資源を活用するとともに他者の能力を引き出していくような人的資源活用能力を備えた人材の育成をゴールとし、支援手法、支援システム、カリキュラムの開発に取り組む。今年度の研究成果は以下の通りである。1. 自己足場かけスキル訓練手法の実施を支援するシステムの開発:他者の助けを意識的に自分の中に取り込んでいく訓練を学習者が段階的に行うことを支援する学習手法「名言生成法」を実施するための、タブレット端末上で稼働するWebアプリを開発した。名言生成法とは、援助してくれる他者の助言やコツ等に言及する場面を記録し、その記録から援助者の「名言」を作り出し、それを学習者間で共有し、次の問題解決場面において利用していくような手法である。開発したシステムは、マーカー付き写真撮影機能、名言入力機能、振り返り機能からなる。計画した開発のすべてが終了し、実践利用が可能な形となった。2. 上記システムを利用するためのカリキュラムの開発と実践評価:大学生を対象としたゼミナール学習においてシステムを活用するためのカリキュラムを開発し,実践評価を実施した.本システムのユーザビリティが確認されるとともに,本方式により,他者の援助の内化という見えづらいプロセスが明示的になることにより,他者の能力や視点の意識的な取り込みが支援されることが明らかになった.
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 6件)
日本教育工学会論文誌
巻: 43(Suppl.) ページ: 53-56
https://doi.org/10.15077/jjet.S43037
理科の教育
巻: 811 ページ: 5-8
情報処理学会論文誌「教育とコンピュータ」
巻: 5(3) ページ: 35-43
科学教育研究
巻: 43(4) ページ: 308-322
https://doi.org/10.14935/jssej.43.308
Advances in Quantitative Ethnography. ICQE 2019. Communications in Computer and Information
巻: 1112 ページ: 315-325
https://doi.org/10.1007/978-3-030-33232-7_28
臨床教科教育学会誌
巻: 19(1) ページ: 1-9