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2017 年度 実績報告書

開発の時代の国家建設:東南アジアの国家形成再考

研究課題

研究課題/領域番号 17H02230
研究機関政策研究大学院大学

研究代表者

白石 隆  政策研究大学院大学, 政策研究科, 名誉教授 (40092241)

研究分担者 HAU Caroline・Sy  京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (70314268)
クー ブー・テック  政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (10599385)
鬼丸 武士  九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (80402824)
相沢 伸広  九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (10432080)
高木 佑輔  政策研究大学院大学, 政策研究科, 助教授 (80741462)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード国家建設 / 東南アジア / 開発主義 / 比較研究 / 地域研究 / オーラルヒストリー
研究実績の概要

本研究は、タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピンの開発主義体制をこれら諸国における長期の国家形成の一局面ととらえ、開発主義体制の編成とその基礎にある構想を明らかにすることで、これら4か国の国家形成の特徴をそれぞれに個性的な経験として浮き彫りにすることを目的とする。この目的を達成するために、本研究は(1)文献サーベイ、(2)国内定例研究会の開催、(3)現地調査、(4)調査で収集した資料・データ・情報などの整理・分析、(5)研究成果の公開、の5つのプロセスを通じて遂行される。
平成29年度はこのうち、(1)文献サーベイ、(2)研究会の開催、(3)現地調査、(4)資料・データの整理・分析を中心に研究活動を実施した。文献サーベイについては、各研究参加者が研究目的に関連する先行研究を中心にサーベイを実施した。国内研究会は平成29年9月に開催し、各研究参加者が3年の研究期間内にどのような研究をおこなうのかについて確認した。現地調査はインドネシアとシンガポールで実施した。最後に本研究ではスシロ・バンバン・ユドヨノ元インドネシア大統領へのオーラルヒストリー・プロジェクトを実施している。今年度はユドヨノ元大統領にインタビューをおこなったほか、インタビュー・データのテープ起こし、その出版に向けた英文編集作業を実施している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究参加者間での問題意識の共有と、関連する先行研究のサーベイに基づく研究の「問い」の具体化がなされ、各研究参加者がそれぞれの研究課題についての研究を開始することができたという点において、おおむね順調に進展していると考えている。ユドヨノ元インドネシア大統領のオーラルヒストリー・プロジェクトについても、先方とのスケジュール調整などいくつか予期していなかった事態が生じはしたが、インタビュー調査、データの文字化、編集などを進めることができており、現状特段大きな問題は生じてはいない。

今後の研究の推進方策

今後の研究については、現地調査に力点を置き、資料やデータの収集をおこなう。収集した資料やデータを整理し、分析した結果については、国内研究会で各研究参加者の間で共有し、検討をおこなう。ユドヨノ元インドネシア大統領のオーラルヒストリー・プロジェクトについても引き続きインタビューの実施と、音声データのテープ起こし、出版に向けての編集作業を継続する。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 近代アジアにおける越境する革命家の「旅」と都市2018

    • 著者名/発表者名
      鬼丸武士
    • 雑誌名

      国際政治

      巻: 191 ページ: 64-79

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Did Padre Damaso Rape Pia Alba?: Reticence, Revelation, and Revolution in Jos? Rizal’s Novels2017

    • 著者名/発表者名
      Hau Caroline S.
    • 雑誌名

      Philippine Studies: Historical and Ethnographic Viewpoints

      巻: 65 ページ: 137~199

    • DOI

      10.1353/phs.2017.0014

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Policy coalitions and ambitious politicians: A case study on the Philippine social policy reform2017

    • 著者名/発表者名
      Takagi Yusuke
    • 雑誌名

      Philippine Political Science Journal

      巻: 38 ページ: 28-47

    • 査読あり
  • [雑誌論文] フィリピン・ドゥテルテ政権の政治―民主化後の政治発展とエドサ連合2017

    • 著者名/発表者名
      高木祐輔
    • 雑誌名

      アスティオン

      巻: 86 ページ: 45-60

  • [雑誌論文] ドゥテルテ政権の外交政策―フィリピンにおける親アジア路線の模索と課題2017

    • 著者名/発表者名
      高木祐輔
    • 雑誌名

      国際問題

      巻: 665 ページ: 20-29

  • [雑誌論文] ジョコウィ=インドネシア政権の国内政治とASEAN外交2017

    • 著者名/発表者名
      相沢伸広
    • 雑誌名

      国際問題

      巻: 656 ページ: 30ー39

  • [学会発表] Indonesia’s new political front line of Chinese Foreign Labor2017

    • 著者名/発表者名
      Nobuhiro Aizawa
    • 学会等名
      THE 4TH INTERNATIONAL CONFERENCE ON CHINESE-INDONESIAN STUDIES(
    • 国際学会
  • [学会発表] Chinese Foreign Labor in Indonesian Politics2017

    • 著者名/発表者名
      Nobuhiro Aizawa
    • 学会等名
      International Society for the Study of Chinese Overseas
    • 国際学会
  • [図書] Elites and Ilustrados in Philippine Culture2017

    • 著者名/発表者名
      Caroline Hau
    • 総ページ数
      398
    • 出版者
      Ateneo de Manila University Press
  • [図書] Southeast Asia Beyond Crises and Traps: Economic Growth and Upgrading2017

    • 著者名/発表者名
      Khoo Boo Teik, Keiichi Tsunekawa and Motoko Kawano, (eds.)
    • 総ページ数
      309
    • 出版者
      Palgrave Macmillan

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公開日: 2019-12-27  

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