研究課題/領域番号 |
17H02273
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
弓山 達也 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 教授 (40311998)
|
研究分担者 |
稲場 圭信 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (30362750)
河東 仁 立教大学, コミュニティ福祉学部, 教授 (80224799)
村上 興匡 大正大学, 文学部, 教授 (40292742)
寺田 喜朗 大正大学, 文学部, 教授 (40459839)
佐々木 裕子 白百合女子大学, 基礎教育センター, 教授 (60286888)
齋藤 知明 大正大学, 人間学部, 専任講師 (80646224)
星野 壮 大正大学, 文学部, 専任講師 (60725381)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 震災後文化 / アーカイブ化 / 関与型調査 / コミュニティ / 東日本大震災 / 熊本地震 |
研究実績の概要 |
【被災地における関与型調査】稲場圭信は院生学生らと2018年11月16-19日、気仙沼にて「コンポジウム気仙沼2018」、2019年2月16-17日、熊本県宇城市で復興イベントの打ち合わせの参与観察を行うとともに、気仙沼、野田村、真備町の被災地で復興状況のフィールドワークを実施した。河東仁は、南三陸町にて5月、6月、7月、9月、10月、11月での活動をもとに、入江における養殖の工程をイラスト入りで説明するなど、関係人口招来プログラムを支援するため、無料配布するパンフレットを印刷製本した。弓山達也は復興イベントに関わりつつ5月と11月にいわき市(小名浜・四倉)で調査を実施した。 【被災地における聞き取り調査】寺田喜朗は、資料・文献の収集・読解を進めるとともに2019年3月13-14日、いわき市いわき文化会館へ赴き、創価学会会員を対象に被災以降の物質的・意味的な支援活動の内実について聞き取り調査を行った。星野壮は、2018年6月30日、神戸市にて、いわき市NPO法人代表者に対して、7月21日いわき市にて同NPOの活動を参与観察しながら、同氏にヒアリングを行った。また同日、久野真琴氏に、10月27日いわき市産業創造館にて行われたいわき地球市民フェスティバルにおいて、関係者・出場者にヒアリングを実施した。 【東京での後方支援との関連で】齋藤知明は、宗教系大学の継続的な被災地支援活動の調査と創出を1年間実施した。佐々木裕子は、東京に移住した被災者の子どもたちの学習支援を行っているキリスト教系グループのメンバーたちのヒアリング調査を行った。 【総括的活動】弓山と上記の河東、齋藤および村上興匡、薄井篤子、黒崎浩行、高橋和義、髙瀨顕功、小林惇道は、2019年3月10-12日に福島県いわき市、楢葉町、富岡町を訪れ、現地視察、移住者へのインタビュー、研究会を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題は予定通り調査が進み、先行する科研費基盤研究C「東日本大震災の地域コミュニティの再編と宗教の公益性に関する調査研究」(代表弓山達也)の内容を引き継ぎ、また平成30年度科研費研究成果公開促進費を受け、『東日本大震災後の宗教とコミュニティ』を出版できた。 また復興ボランティアの参与観察を持続させつつ、特に長期にわたってボランティアに従事する宗教者・専従者に焦点を当て、継続的に調査を行うことができた。 さらに南三陸町の入江における養殖の工程に関するパンフレットを完成させ、アーカイブ化をはかることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究は大きく分けていわき市・相双地域を中心としたコミュニティと宗教を研究するコミュニティ班、震災後文化を研究する班、南三陸の沿岸文化をアーカイブ化する班、統括班に分かれている。 コミュニティ班では引き続き、同地域の民俗芸能を含む宗教文化とコミュニティとの関連に関して調査を継続する。震災後文化研究班では、地域イベント、移住者動向、ボランティア文化について調査を進める。アーカイブ班では2018年度にパンフレットを作成したことを受け、最終年度はこれを用いて、南三陸町の主として沿海部住民との関係性を強め、各入江に遺る有形・無形の文化財のデータ化を目指す。 今年度は本研究課題の最終年度にあたり、例年、被災地で行っていた総括的な研究会をシンポジウム形式で開催し、研究者のみならず、地域住民にも研究成果を公開していく。
|