研究実績の概要 |
本研究課題は早稲田大学で開発し、ハーバード大学とMITが共同開発したMOOCs(Massive Open Online Courses)のedXにおいて一般公開している独自のオンライン教育コンテンツ(JPC)をとおして、様々な学習環境における日本語音声教育の可能性を検証し、世界規模の日本語音声教育の質向上に貢献することを目的としたものである。 本研究課題採択後の2年間で、【調査1】のJPC運用調査および【調査2】の量的調査を遂行し、研究成果を発表していたため、【調査3】の質的調査に焦点を当てて研究を行った。2020年3月には新型コロナウイルス感染症への対策として、教職員の海外渡航が原則禁止となり、研究活動が困難になったため、2020年度および2021年度は繰越を行った。フランス、カナダ、韓国、中国、オーストラリア、日本ではオンラインで研究成果を発表し、海外の研究者との意見交換を行った。 JPCの11期分の開講において、総登録者数は88,382名となった。(2023 年5月29日現在)。これは、2016年10月の申請時7,800名の11.3倍で、教師が学生の発音を聞いて直すという従来型の授業では、達成することができない数であると言える。また、コロナ禍で教室活動ができなくなり、リモート授業にせざるを得ない状況下で、認証付き受講者数(単なる聴講ではなく、修了基準を満たすと修了証が発行される)が増加した。このことは、大学等の教育機関がJPC受講を単位認定に利用したり、ロックダウン中においても学習者がより良い将来に向けてキャリアアップのためにJPCを利用したりしたということを示唆している。 本研究課題をとおして得られた研究成果により、緊急リモートによるオンライン教育を進化させ、ポストコロナ時代におけるブレンディッド・ラーニングを提案し、今後の日本語音声教育の質向上に貢献することができた。
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