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2017 年度 実績報告書

地域活性化におけるエスニック資源の活用の可能性に関する応用地理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17H02425
研究機関立正大学

研究代表者

山下 清海  立正大学, 地球環境科学部, 教授 (00166662)

研究分担者 矢ケ崎 典隆  日本大学, 文理学部, 教授 (30166475)
加賀美 雅弘  東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60185709)
根田 克彦  奈良教育大学, 社会科教育講座, 教授 (50192258)
石井 久生  共立女子大学, 国際学部, 教授 (70272127)
大石 太郎  関西学院大学, 国際学部, 准教授 (70433092)
福本 拓  宮崎産業経営大学, 法学部, 准教授 (50456810)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワードエスニック地理学 / エスニック集団 / 地域活性化 / エスニック資源 / 移民
研究実績の概要

本研究は,海外および日本国内において,地域活性化におけるエスニック資源の活用の可能性について考察することを目的としている。エスニック関連の統計データは非常に限られており,このためフィールドワークに重点を置いて,オリジナルデータの蓄積に努めている。
本研究は5年計画で進めており,平成29年度はその最初の年度であった。各研究メンバーは,世界および日本各地でフィールドワークを進め,地域活性化においてエスニック資源の活用が非常に有効な手段であることを実証しつつある。
研究代表者の山下清海は,東京,埼玉,神奈川,大阪,兵庫などにおいて,中国人,韓国人,ネパール人,クルド人などを対象に予備調査をおこなった。また,シンガポールの観光におけるエスニック資源の活用について調査を実施した。矢ケ崎典隆は,ロサンゼルスを中心におもなエスニックタウンを調査した。加賀美雅弘はフランスのアルザス地方において観光地化に伴うアルザス語の活用について実態調査を行った。根田克彦は,ロンドン周辺のエスニック系商業集積地の変化を調査した。石井久生は,スペインのゲルニカ周辺で,バスクのエスニック資源の観光への活用について調査を行った。大石太郎は,カナダのモントリオール周辺で,フランス語話者の集住地域の景観的特色などについて考察した。福本 拓は,大阪におけるエスニック・ツーリズムの実態調査を行った。
初年度の予備的調査により,次年度以降の調査対象,調査地域の絞り込みの方向性などが見えてきたと言える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究のメンバーは,いずれも国内外での豊富なフィールドワークの経験とともに,これまでに蓄積されてきた研究協力者とのネットワークを有しているため,5年の研究計画の初年度から,調査対象地域においてオリジナリティの高いデータの取集に取り組むことができた。

今後の研究の推進方策

平成30年度は5年計画の2年度目であり,各研究メンバーはそれぞれの対象地域の予備的調査の段階から本調査を進めていく。また複数の調査対象地域の事例の比較考察にも努める。
山下清海は,アジアおよび日本において,チャイナタウンやアジア系エスニック集団の集住地域の事例調査を深めていく。矢ケ﨑典隆は,ロサンゼルスをはじめアメリカの多様なエスニック集団のエスニック空間の構成,エスニック組織などの考察を進めていく。加賀美雅弘は,EUの周辺地域であるポーランド,ハンガリーなどのドイツ語系少数集団のエスニック資源の観光地化への活用について調査する。根田克彦は,イギリスにおいて都市行政によるエスニック資源を活用した商業集積地の活性化事例を検討する。石井久生は,スペインのゲルニカおよびそれに隣接するドゥランゴ市において,エスニック資源の活用実態を調査する予定である。大石太郎は,モントリオール大都市圏において,フランス語話者のエスニック資源の活用について考察する予定である。福本 拓は,大阪を中心にエスニック・ツーリズムの実態をより明らかにすることに努める。
各研究メンバーの研究成果を踏まえながら,地域活性化とエスニック資源の活用に関する説明モデルの構築について,研究メンバー間で検討していく予定である。

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (8件) (うちオープンアクセス 6件、 査読あり 1件) 学会発表 (3件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] アメリカにおけるアジア系マイノリティ2018

    • 著者名/発表者名
      矢ケ崎典隆
    • 雑誌名

      歴史と地理(地理の研究)

      巻: 713 ページ: 68~75

  • [雑誌論文] ヨーロッパにおける地名表記に関する検討2018

    • 著者名/発表者名
      加賀美雅弘
    • 雑誌名

      東京学芸大学紀要人文社会科学系Ⅱ

      巻: 69 ページ: 29~41

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] バスクの故地とディアスポラをめぐるモビリティのポストモダニティ2018

    • 著者名/発表者名
      石井久生
    • 雑誌名

      共立国際研究

      巻: 35 ページ: 39~62

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] エスニック・セグリゲーション研究に関する覚え書き―日本での実証研究に向けて―2018

    • 著者名/発表者名
      福本 拓
    • 雑誌名

      空間・社会・地理思想

      巻: 21 ページ: 15~27

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] EU国境地域オーストリア・ブルゲンラント州の地域性―民族共生を踏まえた検討2017

    • 著者名/発表者名
      加賀美雅弘
    • 雑誌名

      学芸地理

      巻: 73 ページ: 32~44

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] イーストロンドンの都市再生と立候補ファイルにおけるオリ ンピックレガシー計画2017

    • 著者名/発表者名
      根田克彦
    • 雑誌名

      日本都市計画学会都市計画報告集

      巻: 16 ページ: 158~165

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] カナダにおける二言語主義の現状と課題2017

    • 著者名/発表者名
      大石 太郎
    • 雑誌名

      E-journal Geo

      巻: 12 ページ: 12~29

    • DOI

      https://doi.org/10.4157/ejgeo.12.12

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] ケベック州における英語話者の居住分布と言語環境への適応2017

    • 著者名/発表者名
      大石太郎
    • 雑誌名

      ケベック研究

      巻: 9 ページ: 59~74

  • [学会発表] カナダ,モントリオール大都市圏における非公用語話者の居住パターン2018

    • 著者名/発表者名
      大石太郎
    • 学会等名
      日本地理学会2018年度春季学術大会
  • [学会発表] カナダ,沿海諸州におけるアカディアン文化と観光の発展2017

    • 著者名/発表者名
      大石太郎
    • 学会等名
      日本地理学会2017年度秋季学術大会
  • [学会発表] 在日朝鮮人自営業者の空間的分布と集住地区との関連性―1980年代以降の大阪を事例に―2017

    • 著者名/発表者名
      福本 拓
    • 学会等名
      日本地理学会2017年度秋季学術大会
  • [図書] 移民社会アメリカの記憶と継承―移民博物館で読み解く世界の博物館アメリカ2018

    • 著者名/発表者名
      矢ケ﨑典隆編
    • 総ページ数
      285
    • 出版者
      学文社
  • [図書] グローバリゼーション―縮小する世界2018

    • 著者名/発表者名
      矢ケ崎典隆・山下清海・加賀美雅弘編
    • 総ページ数
      142
    • 出版者
      朝倉書店
  • [図書] ローカリゼーション―地誌へ のこだわり―2018

    • 著者名/発表者名
      矢ケ崎典隆・菊地俊夫・丸山浩明編
    • 総ページ数
      139
    • 出版者
      朝倉書店
  • [図書] 中部アメリカ2018

    • 著者名/発表者名
      石井久生・浦部浩之編
    • 総ページ数
      160
    • 出版者
      朝倉書店

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公開日: 2018-12-17  

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