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2018 年度 実績報告書

中等数学教育における「世界探究パラダイム」に基づいた開かれた前向きの学習の可能性

研究課題

研究課題/領域番号 17H02694
研究機関上越教育大学

研究代表者

宮川 健  上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (30375456)

研究分担者 濱中 裕明  兵庫教育大学, 連合学校教育学研究科, 教授 (20294267)
高橋 聡  椙山女学園大学, 教育学部, 講師 (20613665)
大滝 孝治  北海道教育大学, 教育学部, 特任講師 (90750422)
袴田 綾斗  高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 助教 (50824215)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード数学教育 / 研究者の探究 / 課題学習 / 課題研究
研究実績の概要

本研究は,問いに対する答えを作り上げるために,インターネットなど利用できるものは何でも利用し必要な知識・技能は必要に応じて学ぶといった,研究者の活動をモデルとする開かれた前向きの数学の指導・学習 (SRPと呼ばれる) の実際と仕組みを明らかにすること,また,そうした指導・学習がわが国の中等学校段階においてどの程度実現可能であるのか,その実現のための条件とそれを妨げる制約を特定することを目的とする.
平成30 (2018) 年度は,おおむね事前に計画していたとおりに研究を進めることができた.まず,前年度より進めてきた教授実験を継続し,今年度は小学校と大学まで学校段階を広げデータを収集した.研究対象を広げた理由は,研究者の探究を進める上で,どの程度の最低限の知識・技能が存在するのか,学校段階により探究活動がどのように変化するのか,などについて考察することが可能になると考えたことにある.例えば,わが国では小学校で「探究」という語がしばしば用いられ教育活動がなされているが,それが今回の研究者の探究とどのような関係にあるのか,それが小学校の場合の研究者の探究なのか,などといったことは必ずしも明確でない.
教授実験については,具体的には,高等学校では数学科と情報科の教科横断型の探究,小学校では第3学年における「長さ」にかかわる探究,大学では数学専門の探究型ゼミ,などの実験を実施しデータを収集してきた.また,データの分析については今後多く進める必要があるものの,現在得られた結果に関して学会で発表するとともに,2019年度に開催される国際会議で発表するための準備を進めた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本プロジェクト4年間の研究期間の最初の2年が終了した.おおむね事前に計画していたとおりに研究を進めることができている.これまでの2年間で種々の教授実験を実施しデータを収集することに主眼が置かれていた.最初の研究の焦点は中等教育段階であったものの,「開かれた前向きの学習」の可能性をより広い視野から検討するため,小学校や大学段階にまで研究対象を広げ,教科横断型の探究や数学に特化した探究など,様々な教授実験を実施し多くのデータを収集することができた点は特筆すべき点であろう.

今後の研究の推進方策

今後も引き続きこれまでの計画通りに研究を進める予定である.2019年度は引き続き教授実験・データ収集は実施するものの,今後の2年間はデータ分析に主眼を置く.とりわけ,開かれた前向きの数学の指導・学習がどのようなものかその仕組みを明らかにするとともに,そうした学習の実現に影響を与える要素や制約を明らかにしたい.また,そのためには,本プロジェクトがベースとしている教授人間学理論(ATD)の国際的なコミュニティに積極的にかかわり分析を進めていく.具体的には,2019年6月, 7月に開催される「ATD集中講座」に参加すること,コミュニティの研究者と国際共同研究を進めることなどがあげられる.さらに,成果発表については,主要国際学術誌に論文が掲載されるよう努めるとともに,成果を一般にも広く発信していく予定である.

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] 数学的探究のプロセス2019

    • 著者名/発表者名
      大滝孝治
    • 雑誌名

      新しい数学教育の理論と実践

      ページ: 95-103

  • [雑誌論文] 論証指導カリキュラム開発において考慮すべき事柄2018

    • 著者名/発表者名
      大滝孝治・濱中裕明・溝口達也・熊倉啓之
    • 雑誌名

      日本数学教育学会第6回春期研究大会論文集

      ページ: 55-60

  • [学会発表] 小学校問題解決型授業における探究の導入可能性 ~第3学年「長さ」の実践の分析より~2019

    • 著者名/発表者名
      柳民範,宮川健
    • 学会等名
      全国数学教育学会第49回研究発表会
  • [学会発表] 研究者的探究における最初の問いについての考察2019

    • 著者名/発表者名
      根津雄一,宮川健
    • 学会等名
      全国数学教育学会第49回研究発表会
  • [学会発表] Fundamental task to generate the idea of proving by contradiction2019

    • 著者名/発表者名
      濱中裕明,大滝孝治
    • 学会等名
      11th Congress of the European Society for Resarch in Mathematics Educaion (CERME11),口頭発表
    • 国際学会
  • [学会発表] ORに着目した分野横断的な探究型学習~世界探究パラダイムに基づいたSRPの視点からの授業設計~2018

    • 著者名/発表者名
      根津雄一,宮川健
    • 学会等名
      日本数学教育学会 第51回秋期研究大会
  • [学会発表] 算数科授業における問いと答えの特徴~SRP型の探究の実現に向けて~2018

    • 著者名/発表者名
      柳民範,宮川健
    • 学会等名
      日本数学教育学会第51回秋期研究大会
  • [学会発表] 中学校における継続的な教科横断型探究の研究:「世界人口総和問題」と「新聞森林問題」の実践2018

    • 著者名/発表者名
      葛岡賢二,宮川健
    • 学会等名
      日本数学教育学会 第100回全国算数・数学教育研究(東京)大会
  • [学会発表] 小学校における探究型の学習に関する研究~研究者の活動を基にしたSRPの可能性~2018

    • 著者名/発表者名
      柳民範,宮川健
    • 学会等名
      日本数学教育学会 第6回春期研究大会
  • [学会発表] Fundamental Task to Generate the Idea of Reductio Ad Absurdum2018

    • 著者名/発表者名
      濱中裕明,大滝孝治
    • 学会等名
      42nd Annual Meeting of the International Group for the Psychology of Mathematics Education (PME42),ポスター発表
    • 国際学会
  • [学会発表] 課題研究における数学的な探究活動の指導と評価―グラフのn筆書きをテーマとした探究―2018

    • 著者名/発表者名
      袴田綾斗
    • 学会等名
      日本数学教育学会 第100回全国算数・数学教育研究(東京)大会

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公開日: 2019-12-27  

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