研究課題/領域番号 |
17H02698
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
新関 伸也 滋賀大学, 教育学部, 教授 (80324557)
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研究分担者 |
松岡 宏明 大阪総合保育大学, 公私立大学の部局等, 教授 (10321184)
大橋 功 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (70268126)
萱 のり子 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70314440)
藤田 雅也 静岡県立大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (80524339)
佐藤 賢司 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (10283045)
村田 透 滋賀大学, 教育学部, 准教授 (30469473)
大嶋 彰 立教大学, 文学部, 特任教授 (90176868)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 美術鑑賞 / ルーブリック / 指導案集 / 授業分析 |
研究実績の概要 |
平成30年度は、美術鑑賞学習ルーブリック評価の精緻化のために、各地域の幼・小・中・高校で実践研究による実証授業を重ねつつ、課題や改善点を見出すとともに、鑑賞学習の指導方法の改善のために研究交流を深めた。特に授業実践については、北斎《神奈川沖浪裏》、ミロ《アルルカンの謝肉祭》等の作品を基準作品として、校種の違いによる検証を重ねた。研究代表者や各分担者と小中高校の教員とが共に研究をすすめてきたことが実践研究では重要であることを再認識することができた。 一方、本研究以前の実践も含めた鑑賞学習の指導法について、ルーブリック活用と重ね合わせた公開研究発表会を東京、滋賀において開催した。それらの開催によって研究の社会的還元の重要性もさらに自覚することができた。 また、8月には韓国、大邱にて開催された国際美術教育学会(InSEA)世界大会において、「美術鑑賞学習のルーブリック評価による授業モデル」と題して発表を行うとともに、3月の美術科教育学会においても同様の発表を行ったが、予想以上の聴講がありルーブリックに対する関心の高さが窺われた。 これらの研究成果として、鑑賞指導案集(約20題材)をまとめることができた他、ルーブリックを活用した鑑賞学習は、教師の目標と評価が明確になり授業改善に資することが明らかとなった。また、鑑賞学習での教師及び児童の発話等を中心に行った授業分析では、省察の観点も明確になることで授業改善の指針を示せるようになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた隔月の研究会も開催でき、またルーブリック鑑賞実践研究の推進にあたり、研究協力者との関係も良好でスムーズに進んだ。また、公開研究会を2回開催したことで、研究者はもとより現場の実践者の関心を高めることができた。また、国内だけでなく国際学会で発表したことによって、海外の研究者の興味関心を知ることができたことも成果の一つであり、次年度の海外研究者との交流に弾みを付けることになった。
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今後の研究の推進方策 |
ルーブリック評価を活用した美術鑑賞学習の授業モデルを研究協力者と共に開発し、校種ごとにとりまとめをする。また、国外での実践検証を行い、ルーブリックの国際的な知見から妥当性を高める。具体的には、ルーブリック評価を活用した鑑賞の授業モデルをさらに開発し、実践普及の基盤を構築する。また、国外の研究者と協働して研究会及び実践授業を実施し、比較検討を行う。それらの成果を基に、現在のルーブリックを見直し、より活用可能な形にバージョンアップする予定である。これと同時に、国内外におけるルーブリック評価による美術鑑賞学習の授業実践をまとめる予定である。
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